【特別展】戦後80年の節目の年に訪れたい。海の道むなかた館で「戦争と故郷の記憶 ―郷土部隊と出征兵士の行方―」開催中

戦後80年を迎えた今年、太平洋戦争を取り上げたさまざまな報道や企画が行われています。宗像大社に隣接する海の道むなかた館(福岡県宗像市)でも、戦争にまつわる特別展が10月26日(日)まで開催中。どのような展覧会になっているのか、同展を取材しました。

目次

「宗像出身の兵士らが体験した戦争を知ってほしい」宗像との関係とは

旧日本軍の実際の軍服(一部複製)ほか貴重な資料が展示されています

海の道むなかた館で迎えてくれたのは、宗像市戦後80年記念事業 特別展「戦争と故郷(ふるさと)の記憶 ―郷土部隊と出征兵士の行方―」を企画した宗像市教育委員会の池田拓さん。特別展企画の背景とは。

「数年前から戦後80年の今年にむけて戦争に関連した企画展をできないかと検討してきました。空襲などがあった福岡市などと違い、宗像市には戦争にまつわる、市民が共有できる記憶がないため、どうすれば市民の皆さんに興味を持ってもらえるかが課題でした。当時の宗像地域は直接的な被害は受けていないのですが、宗像の人々が戦争の影響を受けていないかといえばそうではありません。宗像地域からも多くの男性が兵士として旅立ち、そして残された家族は彼らの行方を案じ、戦死の悲しみに瀕していました」

そこで企画されたのが、宗像地域出身の兵士にスポットライトを当てた今回の特別展です。

胸に刺さる郷土部隊兵士らの命の行方。アジア地図上に示される戦没者数

福岡連隊兵士を含む戦没者を示した地図とグラフ

展示室に入ると、まず目に飛び込んでくるのはスクリーンに投影されたアジア圏を中心とした地図の動画。太平洋戦争が始まる1937(昭和12)年7月から最後の復員とされる1947(昭和22)年5月まで、福岡地域の郷土部隊である福岡連隊に所属した宗像地域出身の兵士らが、どの場所で何人戦死したのかが時系列に沿って地図上の赤い棒グラフで示されていきます。

動画が進むごとに、満州やビルマ、フィリピンなど激戦地での戦没者数を表す赤い棒が高さを増していきます。その勢いに、どれほどの郷土の人々が命を落としていったのか否が応でも感じる恐怖。異国の戦地で彼らがどんな最期を迎えたのか、当時に思いをはせ、胸がしめつけられます。

4つのテーマで郷土部隊の姿に迫る。家族との貴重な往復書簡も

「武運長久」や宗像神社(現宗像大社)の文字が記載された日の丸の旗

展示は、「第1章 戦没した宗像人の行方」「第2章 兵隊ニナル」「第3章 戦う大義と心の支え」「第4章 軍旗の下に」の4つのテーマで構成されています。
一般の民衆にすぎなかった彼らがどのような経緯で兵隊になったのか、そして過酷な戦場で彼らを支えていたのは何だったのか―。千人針や寄せ書き日の丸などの貴重な資料のほか、彼らが身に着けていたものや書面などからありありと当時を思い浮かべられるような展示となっています。

父親からの手紙は複写で残されていました。日本から送った手紙が見られるのは貴重

中には兵士となった宗像地域出身の息子と、故郷に残された父親の往復書簡も。互いを案じる手紙の内容は、現代に生きる私たちの気持ちと何ら変わりありません。

普通の人々が、兵士となって散ってしまう、それが戦争の姿。これからも戦争のない日本が続くよう、戦時に郷土の人々がどのような足跡をたどったのか、見つめに行きませんか。

9/6(土)特別講演会 生き残った将兵の証言から

画像提供:海の道むなかた館

9月6日(土)に特別講演会が開催されます。宗像地域の出征兵士たちは、どのような戦闘に直面したのか。敵の補給線を断つためビルマから中国・雲南に進攻しながらも壊滅した郷土部隊の戦場の実相について、生き残った将兵の証言などで明らかにした遠藤美幸さんが登壇します。

特別講演会「『戦場体験』の記憶をどう受け継ぐか―ビルマ戦場と拉孟守備隊元兵士の聞き取りを中心に―」
日時:9月6日(土) 13:00~14:30
定員:60人 ※要事前申し込み
参加無料
申し込み:下記フォーム(外部サイト)から

宗像市戦後80年記念事業 特別展「戦争と故郷(ふるさと)の記憶 ―郷土部隊と出征兵士の行方―」

日時:開催中~10月26日(日) 9:00~18:00
  ※月曜休館(祝日の場合は翌平日)
場所:海の道むなかた館 特別展示室ほか(福岡県宗像市深田588)
観覧無料
問い合わせ:海の道むなかた館
電話:0940-62-2600
https://www.city.munakata.lg.jp/kiji0038281/index.html
特別講演会申し込み https://logoform.jp/form/ij37/1135733

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