双子の息子たちが5歳になった頃のできごとです。わが家にとって、兄弟げんかは日常茶飯事…。しかし、この日のけんかは、思いがけない“ある結末”のおかげで、私にとって忘れられないできごとになりました。
いつもけんかばかりの双子の息子たち

仲良く遊んでいるなぁ… と思うと、数分後には、けんかが始まる息子たち。くっつくとけんかになるため「双子って、こんなに仲が悪いもの?」と悩んでしまうほどでした。けんかのキッカケは、些細なものばかり。「おもちゃを貸してくれない」「ちょっかいを出してくる」「ちょっと当たったのが嫌だった」など。
なるべく2人で解決できるように、危ない場面以外は見守るようにしています。しかし、この日は、ちょっとしたことでけんかが始まり、兄が弟に一方的に手を出し、足を出し… 家中に弟の泣き声が響き渡り、大混乱になりました。
兄にママの雷が落ちた!

それまで黙って見守っていた私も、ついに限界に!はじめは、兄の気持ちも聞き出しつつ「手を出すのはいけないこと」を伝えていましたが、兄のへらへらした“話の聞き方”についに特大の雷が落ちたのです!
兄の言い分も聞いてあげようと心を広く構えていたところにへらへらと笑顔を見せる姿は決して許せず、兄をリビングから玄関へ連れて行き、「外へ出すフリ」をしながら本気で叱りました。
ママが本気で叱る姿に、さすがに双子の兄も怖さのあまり
「ごめんなさい~!」と大泣き。玄関の踊り場から家の中へ戻ろうとしますが、そこを私も負けじと、外へ出そうと玄関のドアを開ける“フリ”をしたその時でした。
弟がとったまさかの行動

裸足のまま、弟がリビングから飛び出し、玄関のドアの前で仁王立ちして
「だめ~!!」と大泣きしながら立ちふさがったのです。今まで見たことのないような真剣な表情から、「相方が外へ出されてたまるものか」という、本気さが伝わってくるものがありました。
弟がとったまさかの行動に驚くと同時に「誰を叱っていたんだっけ?」と一瞬、わからなくなった私。けんかをして泣かされていたはずの弟が、兄を助けるという想像もしていなかった展開に、必死に笑いをこらえながら、まだ怒りが収まらない“フリ”をしばらく続けたのでした。
息子たちと私の気持ちが落ち着いてから、きちんと話し合って、けんかの仲直りもできました。そして兄には、今回の件で弟の優しさに感謝することも伝えました。
双子の絆の強さを実感
こんなに仲の悪い双子がいるものなのか?と、けんかばかりの2人の関係に心配さえしていましたが、2人の絆の強さを思いがけず知ることができた今回のできごとでした。私がまだ怒りを引きずっていた中で繰り広げられた、思わず笑ってしまうような2人のやりとり。正直なところ、少しだけうらやましくさえ感じてしまいました。
「けんかするほど仲がいい」ということわざがありますが、わが家の息子たちを見ていると、その通りだと感じます。今でもけんかばかりの息子たちを「仲がいいのねぇ~」と、あたたかく見守り続けています。
(ファンファン福岡公式ライター/いと)


