「もうすぐ中学生」と張り切る小6息子、制服採寸で母が大爆笑した「可愛すぎる勘違い」とは?

中学進学を控えた小学6年生の息子。体格も良くなり、いよいよ制服の採寸へ。期待と緊張が入り混じる体育館で、 ズラリと並ぶ学ランを前に息子が放った「衝撃の一言」とは?成長の嬉しさと、まだ残る幼さが交差する、思わず吹き出したエピソードです。

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ズラリと並ぶ学ラン、目線が近くなった息子の横顔

写真AC

制服の採寸会場となる体育館は、独特の熱気に包まれていました。

ハンガーに吊るされた真っ黒な学ランがズラリと並び、保護者と生徒の話し声が混ざり合う。新生活への期待と、どこか重苦しい緊張感が入り混じった、その場所にしかない空気です。

学ランを見上げた息子が、ぽつりと言いました。

「…大きいね」小学校のやわらかいブレザーとは違う、芯の通った硬い生地。金色のボタンが、誇らしげに輝いて見えました。

「そうだよ、これを着て毎日通うんだよ」そう答えながら、私はそっと息子の横顔を見ました。

いつの間に、こんなに目線が近くなったのだろう。少し前まで下を向いて目を合わせていたのに、今はもう私とほぼ同じ高さにある。

昨日までランドセルを背負って帰ってきた子が、数カ月後にはこの重厚な制服に身を包む。その事実がうれしくもあり、急き立てられるような寂しさもあり、落ち着きません。

「もうすぐ中学生」の口癖と、小さくなったランドセル

この時期の小学6年生というのは、実に不思議な生き物だと思います。休み時間になると教室の空気は一気にソワソワし、しかし子どもたちの表情は大人びています。6年間を共にしたランドセルは、あまりにも小さく窮屈そうに見えます。

息子も同じです。中学生になるという未知の世界への「ドキドキ」と、今の仲間と離れる「寂しさ」。そんな複雑な感情を抱えながら、彼は彼なりに大人への階段を一段ずつ登っているように見えます。「もうすぐ中学生なんだから、しっかりしなきゃ」これが最近の口癖です。

だから私は、勝手に思い込んでいたのかもしれません。この子はもう、中学生になる準備ができているのだと。

採寸待ちの列で、息子が真顔で放った「衝撃の一言」

写真AC

ところが、採寸を待つ列でスラックスのコーナーに差し掛かったとき、息子が突然こう言いました。

「ねえ、お母さん。中学って……半ズボンじゃないの?」

ふざけているわけでも、笑いを取ろうとしているわけでもない。センタープレスのビシッと入った漆黒のスラックスをじっと見つめながら、どこまでも澄んだ、なんの疑いもない「キョトン」とした顔でそう聞いてきたのです。

私の思考は、一瞬でフリーズしました。堪えようとしたのに、無理です。

「ククッ…あははは!」口元を押さえながら笑い転げる私を、周囲のお母さんたちが静かに見ていました。そういえば、幼稚園も小学校も制服は、ずっと半ズボンでした。

しかも息子は筋金入りの「超・暑がり」で、真冬に北風が吹き荒れても一人だけ「暑い!」と言って上着を脱いでしまうような子です。私たちが厚手のコートにマフラーで重装備をしている隣で、薄着で過ごしています。

彼にとって「学校のズボン=半ズボン」は、この世の摂理に等しい絶対の常識だったのでしょう。「中学になったら、どうなっちゃうの?」と言わんばかりの真剣な眼差しが、あまりにもピュアすぎました。

裾が余る長ズボン、鏡の前に立つ後ろ姿に願うこと

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「夏でも、長ズボンを履くんだよ」そう伝えると、息子は「えぇ〜…暑い…」と、心底絶望したような顔で肩を落としました。そのガックリとした後ろ姿を見ながら、私は不思議な安心感に包まれていました。

体は大きくり、声も低くなってきました。なのにその中身は、驚くほどまだ真っ白なまま。早く大人になってほしいと願う一方で、「まだ行かないで」と引き止めたくなる。その矛盾を、あの「半ズボン発言」が溶かしてくれた気がしました。

まだ少し裾の余る長ズボンを試着して、慣れない足取りで鏡の前に立つ息子の背中を見守りながら、私は密かに願いました。この漆黒のスラックスを履きこなす立派な少年になったとしても、ふとした瞬間に見せるあのピュアな感性だけは、どうかそのままでいてほしいと。

体育館に響いた私の笑い声と、息子のとぼけた真剣な表情。それは、これから始まる新しい季節の中でも、忘れることのできない最高に愛おしい宝物になりました。

(ファンファン福岡公式ライター/hitoyume)

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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