農業従事者の高齢化や後継者不足により増加する「遊休農地」に対して課題認識を持っている福岡市。こうした背景を踏まえ、市内企業の参画を得て遊休農地の保全・活用を図る【農地活用促進プロジェクト】を2025年9月から2026年1月にかけて実施しました。
本事業は、企業が農地活用に直接関わることで、農地の維持管理と地域の活性化を同時に進めることを目的とした、福岡市の実証的な官民連携プロジェクトです。

企業と地域をつなぐ遊休農地活用
本プロジェクトには、株式会社LANDICホールディングス、株式会社O・B・U Company、株式会社ホンプロの3社が参加。福岡市西区今宿青木に所在する遊休農地を活用し、キャベツ・白菜それぞれの作付けから収穫までを一貫して体験しました。

福岡市農林水産局が全体をコーディネートし、体験イベントの調整などを株式会社FFGビジネスコンサルティングが受託。企業は社員研修や福利厚生の一環として農作業に参加し、農地保全と人材育成を両立させる取り組みとなりました。

収穫期を迎えた現場から

令和8年1月、市内遊休農地で育てられてきたキャベツ・白菜が順調に生育し、収穫期を迎えました。作業当日は、参加企業の社員が協力しながら収穫し、畑には久しぶりに活気ある風景が広がりました。
参加企業の社員からは、
・農家さんの大変さや遊休農地の課題を、自分ごととして考えられるいい機会になりました。
・チームで行う農作業は立場に関係なくフラットに交流でき、チーム内で生かせる強みや資質が見える点で、企業にとっても有益だと感じました。
・朝から大自然の空気と土の香り、太陽の光を浴びて最高でした!
・他の企業の方と仕事内容なんかを話しながら、お店の紹介とかもいただきいい交流になりました。
といった声が寄せられました。

また、各参加企業から野菜の管理を委託されたJAファームからも、
「地域に思いのある企業が、農業や農地に目を向けてもらえるきっかけになった。この農地で初めて出会った3社の企業が、農作業を体験して交流を深めていただく珍しい企画となり、農地の新たな魅力が生まれているようでとても嬉しく感じています。」
と、事業の効果を評価する声が聞かれました。
行政が果たす役割と今後の展開

本プロジェクトを通じ、「行政が調整役を担うことで企業が地域課題に参画しやすい環境を整える」ことの重要性を再確認しました。遊休農地の発生防止・解消に加え、企業活動を通じた関係人口の創出や、地域との継続的な関係構築が期待されます。
福岡市では今後も企業の参画を促しながら、社会課題への貢献や人材育成などの新たなフィールドとして、遊休農地の有効活用を推進していくとのことです。



