初産、陣痛室での出来事。私は、カーテン越しに「痛い」と訴える妊婦さんと彼女を労わる旦那さんの声を聞いていました。そこへ助産師さんが来て、彼女へ叱咤激励するのですが…それを聞いて旦那さんは豹変。妊婦さんは涙声に。15年経った今でも忘れられない、陣痛室での恐怖体験をお話します。
初めての出産 陣痛室で痛みに耐えながら、聞こえてきたのは…
今から約15年前の出来事です。私は近所の産婦人科にて、初産を迎えることとなりました。
陣痛室に入り、時間が経つにつれて増していく痛み。うぅ痛い…とにかく痛い…!出産て、こんなにも痛いのか…!!と心の中で叫び、楽な態勢を探すため座ったり横になったりしていたときのこと。
隣から「痛い…痛いよう」と苦しそうな声が聞こえてきました。
カーテン越しのため姿は見えないのですが、「大丈夫?」「背中さすったほうがいい?」と気遣う旦那さんらしき人の声も。痛みを訴える妊婦さんを必死に気遣う様子にこちらも癒され、お隣も頑張っている…私も頑張ろう、と元気をもらえました。
助産師さん登場 そして、衝撃の一言

しばらくして、お隣に助産師さんがやってきました。
「調子はどう?」と助産師さんの声。
「すごく痛いです…」妊婦さんは疲弊し切った声でした。
「OK、子宮口だいぶ開いてきたかしら。ちょっと見せてね」と、内診が始まった様子。
カーテン越しにやりとりを聞きながら、子宮口何センチまで開いたら分娩室へ行けるんだっけ…とぼんやり考えていたところ…
「えっ!子宮口全っ然開いてないじゃない!」と、助産師さんのびっくりする声が聞こえてきました。そして、こう続けたのです。
「こんなので痛い痛い言ってたらあなた赤ちゃん産めないわよ!この程度なら、全然痛くない。お母さんになるのだから、もう少し頑張りなさい。」
助産師さんは、痛みにやられてしまっている妊婦さんへ喝を入れ、母であることの自覚を促し安産へ導こうとしてくれたのだと思いますが、正直、キツイ言い方だなぁ…と思ってしまいました。
そして、悲劇はこれだけでは終わらなかったのです。
旦那さんが豹変!妊婦さんは涙声に

助産師さんの気配がなくなってから、お隣は静まりかえっていました。
妊婦さん、あんなキツめの言い方されて大丈夫だったかな…と心配していたところ、か細い声でまた「い、痛い…」と、声が聞こえてきました。
すると、旦那さんらしき人が冷たい声で「痛くないんでしょ」と。
「い…痛い…本当に痛いの」涙声で訴える、妊婦さんの声が聞こえます。
「これくらい痛くないって、さっき言われたじゃん」なんと、さっきまで優しく労わっていた旦那さんが、助産師さんの言葉で豹変してしまったのです。
そ…そんな…。私は、お隣の妊婦さんが気の毒すぎて、カーテンをぎゅっと握りしめました。確かに、今後痛みはもっと強くなるのかもしれないけれど、今痛くないわけがないのに…そこはわかってほしい!このカーテンをバッと開けてそう伝えようかと思ったほどです。
同時に、ひとつの不安がよぎりました。
今後「痛い」と訴えようものなら、私も隣の妊婦さんのように助産師さんから叱咤されてしまう…それは絶対に嫌だ。そう考えた私は、ただひたすら、増していく痛みに耐え続けたのでした。
結果、私は安産 お隣は…
その結果、私は初産にしては早く子宮口が全開になってしまい、その後あっという間に分娩室へ。スーパー安産で初産を終えたのでした。
お隣さんより早く分娩室へ移動してしまったため、その後あのご夫婦がどうなったかはわかりません。
どうか、無事出産を終えていますように。パパになったであろうあの旦那さんが、少しでもママの苦労に寄り添えていますように、と願っています。
(ファンファン福岡公式ライター/pemimama)





