子どものわがままへの対応は親によって違います。注意せずに放置しているのは、毎日の育児に疲れ果てて気力も体力も尽きているのかもしれないと、優しく見守りたい気持ちもあったのですが…。先日、驚くような親子と遭遇しました。
ファストフード店にやってきた親子

日曜の昼下がり。その日、人気の季節限定商品が販売された最初の週末だったこともあり、某ファストフードの店内はいつにも増して混雑していました。
夫と2人、「空いていたら店内で食べていこう」と来店しましたがあいにくの満席。セルフレジもフル稼働で列が出来ていたので、夫は車に戻り、私はテイクアウトで注文後、店内の一角で商品が出来上がるのをしばらく待っていました。
そこにやってきたのは、20代後半くらいのお母さんと4~5歳くらいの女の子の親子と思われる2人。仲良くセルフレジの列に並ぶのかと思ったら、列の最後尾に立ったのはお母さんだけで、女の子はそのまま座席のある店内の奥へと歩いていきました。
「すでに家族や知り合いが着席しているのかな?」女の子を何気なく目で追いながら、私はそんなことを思っていました。
「席なーい」店内に響く女の子の声

ところが、私の予想は外れのようで、店内に女の子の家族や知り合いがいる様子はありません。通路をウロウロする女の子に、私はちょっと不安になってきました。
比較的目の届きやすい店内とはいえ、パネルのあるセルフレジのカウンターからは、座席側は死角になります。休日ということもあり、家族連れが多い店内でしたが、このご時世、変な人に絡まれる可能性は否定できません。
同じ娘を持つ身として、私は勝手ながら女の子の様子を見守っていました。すると女の子は、座席があるエリアの中央部分で立ち止まると、突然「ママ!席なーい!席ないよー!」と大きな声で叫び始めたのです。
お母さんはタッチパネルを操作中。だからなのか、絶対に聞こえているはずの女の子の声を無視します。お母さんの態度に一瞬イラッとするものの、早く注文を終えようとしているのかな、とか、毎日育児で疲れているのかもしれない、とも感じ、私は何も言えませんでした。
でも、女の子が「席なーい!ねぇ席ないってばー!」と叫び続けるので、座って食べているお客さんたちはなんだか罰が悪そうに、全体がざわざわとしてきました。
一方で、すぐ横で大声叫び続ける子どもにゆっくりと食事ができず、困ったような顔をしている人もいました。
さらなる一言で状況が一変!

もうすぐ食べ終わるなら、「ここ空くからいいよ」と譲る人がいたのかもしれませんが、誰も席を立たずに数分が経ちました。その間も女の子は「席なーい」を連呼していましたが、さすがに叫ぶことに疲れてきた様子。
次の瞬間、少し怒ったように、「ママ!席ないって言っても誰もどいてくれないよ!まだ言うの?もう言いたくない!疲れた!」とこれまた大きな声ではっきりと言ったのです。
その瞬間、「席なーい」は子どものわがままから出たのではなく、最初からお母さんに言わされていた言葉だと、店内にいた全員が理解しました。
パネルを操作していたお母さんは、店中から注がれる視線に気づいたのか、近くにいた店員さんに向かって、「これ取り消しておいてください!」と言うと、女の子の手を引いて慌てて店を出ていきました。
手を引かれながら、「お腹空いた!食べたい!なんで帰るのー!」と本気で泣く女の子の声が切なかったです…。
店内には同じ年ごろのお子さんを連れた家族も多く、「あんなことを子どもにさせるなんて…」となんとも言えない空気が流れました。
子どもを盾にしてまで座りたかったのは親だったということに、同じ母親としてガッカリした出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/tsukimi)





