小学校の卒業式は、子どもの成長を祝う大切な一日。のはずが、私の周辺ではまさかの“高級ブランドスーツ争奪戦”が勃発。感動の舞台裏で起きた、母たちの静かな攻防とは…?
卒業式のスーツ、どうする?
わが家の息子Bは、少年野球クラブに所属しており、おしゃれとは無縁のタイプ。服は「着られればOK」。卒業式のスーツについても「別にジャージじゃなければよくない?」くらいの温度感です。私も内心、「どうせ一回しか着ないし、レンタルで十分」と思っていました。
そんなある日、息子が仲良くしてもらっている野球クラブのひとつ上の先輩、お金持ちのA君から申し出が。
「Bに、僕が着たスーツを着てほしい」
聞けば、A君が卒業式で着たスーツを貸してくれるというのです。息子は服装に無頓着でも、親としては少しうれしい話です。A君ママとも「じゃあお借りしますね」と穏やかに約束を交わしました。
ある日かかってきたママ友からの電話

ところが事態は突然動きます。ある日、同じ野球クラブのC君ママから電話が。
「A君のスーツ、うちのCに貸してよ。体型も身長も同じぐらいだし。B君には少し大きいでしょ?」
え?なぜうちに交渉してくる?
先に約束していたのはこちら。でも、あまりの勢いに押されてしまった私。
「え、別にいいよ…」「A君ママに言ってみて…」と、つい受け身な返答をしてしまいました。今思えば、あのときの私は完全にC君ママの迫力に圧倒されていました。
後日判明した衝撃の事実
後日判明したこと。それは、A君のスーツは…なんと高級ブランド「アル〇ーニ」。
なるほど。だからか。A君のスーツはただのスーツじゃなかったのです。
小学校の卒業式の舞台裏で、まさかのブランド服争奪戦が勃発していたのです。廊下や保護者席で交わされる何気ない会話の裏にも、実はこうした静かな火花が散っているのかもしれません。
結局どうなったかというと、わが家は戦いに参加せず、静かに撤退。レンタルショップでほどよく清潔感のあるスーツを借りました。
そうして迎えた式当日

式当日、周りを見渡せば…いるいる、キメキメのブランドスーツ男子たち。ネクタイの色味や靴の光沢まで、どこか誇らしげに見えます。
息子は相変わらず服装には関心がなく「動きにくい」と文句を言いながらも、友達と写真を撮り、笑って卒業していきました。
卒業式の主役は子ども。スーツのタグより、笑顔のほうがずっとまぶしい。そう自分に言い聞かせながらも、心のどこかで少しだけモヤモヤが残りました。
この“アル〇ーニ事件”の数年後、きっと息子は自分が何を着ていたかなんて覚えていないでしょう。覚えているのは、友達とふざけ合ったことや、証書を受け取った瞬間の緊張感くらいでしょう。
小学校卒業式。感動の裏には、静かなマウント合戦が潜んでいるのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター/大福)





