去年のお年玉トラブルが忘れられず、今年は帰省前に夫へ「金額どうする?」と相談しました。姉夫婦の小学生の子ども2人にわが家からは毎年3,000円ずつ。ところが、昨年はその金額を義母と義姉に比べられ、今年こそは…と思ったのに、夫は「去年のままでいいよ」とあっさり。私は不安を抱えたまま義実家へ向かうのでした…。
帰省1分で義母の金額チェックが発動

夫の実家に着いて、まだコートを脱ぐ前でした。
「ねえ、今年はいくら包んだの?」
義母の直球すぎる質問に、私は一瞬で背筋が伸びました。昨年、姉夫婦のお年玉の金額と比べられて気まずい空気になったことを思い出し、胃がキュッとしました。夫はのんきに
「ただいま〜」と普段どおり。私は心の中で“今それどころじゃない!”と思っていました。
生活レベルの差が心に刺さる

そこへ義姉が明るい声で登場。
「うちは今年も1万円ずつね〜!」
義姉夫婦は夫一馬力なのに、なぜか余裕がある。わが家は共働きでも住宅ローンでカツカツ。うちも義姉のところと同じで、小学生の子どもが2人。中学生ならまだしも、小学生に1万円ずつは到底ムリ。そうわかっても、昨年義姉から言われた「うちはもっと渡してるのに」の言葉が、今年も胸に刺さります。
お年玉評論会が止まらない

リビングに移動すると、義母と義姉の“お年玉評論会”が始まりました。義母は腕を組み、義姉は得意げに笑っています。私はテーブルに置いた自分の手を見て、指先に力が入っているのに気づきました。無意識にぎゅっと握っていたようです。
義母が私の方を見て、わざとらしく言いました。
「去年はちょっと少なかったわよねぇ。あれ、いくらだったかしら?」心臓がドクンと跳ねました。義姉も続けます。
「うちは1万円ずつだからさ〜。“気持ち”って大事だよね!」“気持ち”という言葉が妙に強調され、私は胸の奥がチクッと痛みました。共働きでバタバタしながらも、何とか準備したお年玉なのに、なぜこんなに責められている空気になるのか。
視線を夫に向けると、テレビに全集中しているふり。無表情な夫に、私は心の中でツッこんでいました。「なんで…なんで私だけ戦ってるの…?相談したよね?『去年のままでいいよ』って言ったよね?」悔しさと情けなさが混ざり、胸がじんわり熱くなりました。
すぐそばで話す、義母と義姉の言葉が頭の中で響きます。
「やっぱり1万円くらいはね〜」
「そうそう、常識よね〜」私は、はりついた笑顔で、ただ耐えるしかありませんでした。
すると「母さん、もう金額で競うのはやめよう」突然、夫がテレビから視線を外し、スッと立ち上がりました。義母と義姉が、同時にこちらを見ます。
「姉ちゃんのところが1万円なら、うちも来年から1万円包むよ。…その代わり、母さんも全員に1万円ね」
「えっ、わ、私も?」義母の声が思わず裏返ります。これまで義母は、孫一人につき5千円ずつ。一方で義姉は、毎年きっちり1万円。自分だけが多く渡しているという立場が、夫の一言で一気に崩れた瞬間でした。義姉も「ちょっと待ってよ!」と慌てた様子。その場の空気が、固まります。
お年玉バトル閉幕

相談したときは淡々としていた夫。でも本当は、私のモヤモヤをちゃんと受け止めてくれていたようです。毎年続いていた、見えないお年玉バトル。それが、夫の一言でようやく終わりを迎えました。義母と義姉が言葉を失う中、私は改めて夫を見直していました。
毎年続いていた、比較前提のお年玉の話題は、その年を境に出なくなり、翌年のお正月は驚くほど穏やかでした。
子どもが成長すれば、また金額をどうするか考える時期は来るでしょう。そのときはそのとき。家族で話し合いながら、またゆるく決めていけばいい。今は、そう思えています。
(ファンファン福岡公式ライター/komorebi)





