「チョコはいらない!」祖父はチョコ嫌い!?バレンタインに知ったその理由とは

これは、私が小学生の時体験したバレンタインでのエピソードです。祖父へ手作りチョコを渡そうとすると母からまさかのストップが…。バレンタインをきっかけに、祖父のほろ苦い過去を知ることとなりました。

目次

家族にバレンタインチョコをあげたい!

私が小学生の頃、お菓子作りに夢中になっていました。地域の図書館でレシピ本を借りては、新しいお菓子を作る毎日。お正月を過ぎたある日、図書館で見つけたバレンタインチョコの本を見てチョコ作りに興味を持ちます。

私にとってバレンタインは、甘いもの好きの家族に手作りチョコをプレゼントできる楽しいイベントです。まさか、祖父がチョコに対して深い想いを抱いているなんて、この時は思ってもみませんでした。

祖父にチョコをあげようとしたら…

写真AC

近所のスーパーで材料を買ってきて、チョコ作りをスタート。家のキッチンはたちまち甘い香りに包まれました。冷やし固めたチョコを可愛くラッピングして、家族に配ります。

父と兄に配り終え祖父を探しますが、姿が見えません。母に聞くと愛犬の散歩に出かけているとのこと。祖父に手作りチョコを渡そうとしていることに気づいた母は、
「おじいちゃんはチョコが嫌いだから渡さない方がいいよ」と一言。母も昔、祖父にチョコを渡そうとしたら「食べん」と断られたのだとか。

「おじいちゃんがチョコを食べないのは、戦争が関係しているみたいね」
祖父が戦争体験者だということは聞いていたものの、当時小学生の私にとって現実味のないもの。チョコを渡せないことにがっかりしている私を見かねた母は、祖父の戦争体験を話してくれました。

チョコと戦争の記憶

若い頃、祖父は海外の戦地に送り出され最前線で戦ってきました。祖父の喉元には敵の弾丸が貫通した傷跡があると、この時初めて知りました。負傷した祖父は、戦争で命を落とした仲間の遺品を持って無事に帰国。日本に戻り、進駐軍が子どもにチョコを配るという光景を目の当たりにした祖父は、やりきれなさを感じたそうです。

戦争のことは一切口にしなかった祖父。母がチョコを贈ろうとした時に、初めて戦争体験を話したそうです。一生チョコを拒むほど、祖父の心には大きな傷が残っているのだろうと、母は話してくれました。

「おじいちゃんに戦争を思い出させないように、バレンタインには何も贈ってないよ」数十年経っても頑なにチョコを食べない祖父の想いや、母の祖父を思う優しさに触れて、小学生ながらに胸が締め付けられました。

祖父へ贈るバレンタイン

写真AC

バレンタインをきっかけに知った祖父の戦争体験は、大人になった今でも鮮明に思い出されます。

「チョコの代わりに別の物を贈って喜ばせたい!」当時の私は、後日おまんじゅう作りに挑戦することに。バレンタインだからとは言わず「おやつに作ったよ」とだけ伝えて、手作りのおまんじゅうを祖父へプレゼントしました。不格好で上手く膨らまなかったおまんじゅうでしたが、嬉しそうに受け取ってくれた祖父の顔は今でも忘れられません。

チョコを渡せないのなら思いやりの心を渡せばいい、と学んだバレンタインのほろ苦い思い出です。

(ファンファン福岡公式ライター/kotone)

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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