12月20日で閉店のみすゞ庵でカツカレーそばに間に合った 「久留仁譲二の小市民だより」

新聞に「みすゞ庵閉店」のことを知り、「急いで行かなくちゃ」と思ってましたが、最近ようやく行きました。正確に書くと、一度入ろうとしたんですが、微妙な行列。次の用事に間に合いそうにないので、泣く泣くあきらめた日もあったんです。

みすゞ庵といっても、福岡都市圏の人以外知らん方も多いでしょう。ランチメインの大衆そば屋さんなので、昼間に天神にご用のない方もなじみがないかもしれません。まあ、福岡市役所北出入口の真向かいなので、市役所に来たついでになんて人もいるかもしれません。

こんなたたずまいのお店なんですよ。今はベスト電器本店の1階ですが、その前はどんな感じだったか思い出せないですね。場所は同じだったかと思いますが。41年前会社に入ると同時にちょいちょい来てました。

ああやっぱり。当然ですが、こんな貼り紙が。73年続いた飲食店なんて超希少ですよ。今の店主さんでも二代目なんでしょうね。

スマホで撮った写真なので、光が反射して見にくいですが、ご容赦下さい。ショーケースは今やなつかしの「食品サンプル」ですよ。昭和40年代子どもの頃はあちこちの食堂やレストランになって、妙に食欲をかき立てられたものです。外食店舗用専門店で有名な東京のかっぱ橋のサンプルのお店をのぞいたことありますが、けっこう値段高いんですよね。

きょうのお目当てはカツカレーそばです。確か以前はショーケースに陳列のない”裏メニュー”的存在でしたが、今や「みすゞ庵といえばカツカレーそば」というくらいの中心選手として輝いています。

12月20日限りの閉店が伝えられて以来、連日行列で中々入れないようなのですが、私が着いた12時40分頃、ちょうどエアポケットのように人が少なく、といっても10人くらいは店先で並んでましたが、待つこと10分から15分で入店かないました。3人の妙齢の女性方にひとり相席です。

すぐ目についた上の貼り紙。会社時代の後輩から「売り切れたりするらしい」と聞いてましたが、なるほどこういうことですか。まだ残ってるといいがなあ。

お店の人におそるおそる「カツカレーそばまだダイジョブですか」と聞いたら、「はい、ありますよぅ」と明るい声。ほっとしました。

待っている間、久しぶりの店内を見回します。そういえば、パリパリの海苔で巻いて食べるおにぎりも名物だったなあ。もう来れるかわからんから、これも頼もうと追加で注文したら、カツカレーそばが来る前すぐに来ました。昆布を選びました。空腹ですが、メインを口にするまでガマンします。

来たっ。ついに来ましたよ。麗しのカツカレーそば。やっぱサンプルよりうまそうですね。当たり前か。いい感じにカレーのおつゆがトンカツにしみ込んで絶妙の絵柄です。たまらん。ほんとによくダシの味が利いたコクのあるスープ。それがそばを包み込み、揚げたてサクサクのカツとのどに流し込むと至福のひとときです。

カレー好きのわたしですが、長年このカツカレーそばの存在を知らず、みすゞ庵でカレー系のものを食べるときは、カレー南蛮かカレー丼、それらにカツを入れたりといった注文でした。

それが、数年前会社の同期のひとりが「あの店(みすゞ庵)では、カツカレーそばしかおれは食わん」と言うのを聞いて、「ナヌっ、そげなもんがあったんか」と驚き、試しに食べてみたところ、憑りつかれてしまったのです。

午後1時を過ぎると、また店の前に行列が出来始めてます。時間をずらしたかその時間から昼休みの皆さんでしょう。わたしはタイミングよかったなあ、と今さら思います。

メインもサブのおにぎりも食べ終わる頃、1時20分くらいだったでしょうか。「あと3つ」という声が厨房から聞こえます。少しして店員さんがお客さんに「カツ終わっちゃいましたあ」と告げました。お客さんは心底残念そうな声を出してましたが、気を取り直して再度別のメニューを選んでました。

待っている人たちがいるので、長居は無用、大迷惑。今年三本の指に入るであろう満足度の高い昼ごはんを終えて外に出ました。右横はベスト電器本店の入口。このお店にも数々の思い出がありますが、やはり遠くないうちに閉店してしまいます。そんな話もまた書きたいと思います。

それにしても、天神はどんどんビジネス一辺倒のまちに変わっていってしまうなあ。個人的にはスゲエつまんないです。安くておいしい飲食店もほぼ絶滅ですしね。あ~あ。

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

プロフィール

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久留仁譲二

米国の本家と同い年のシニアブロガー。毎晩長いときは30分に及ぶ歯磨きを欠かさない。最近覚えたメルカリへの出品にはまっている。
17年乗った作業用の軽トラックをカッコいいカーキ色の新車に買い替えた。

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