【中上真亜子が体験取材】スラムダンクとの意外な縁!国内外を魅了する酒蔵「みいの寿」

人気タレントの中上真亜子さんとともに、福岡・九州の“推しどころ”を巡る「ふるさと推し隊」。

向かったのは、福岡県大刀洗町で100年以上にわたって日本酒造りを続ける「みいの寿」。日本酒の鑑評会で圧倒的な実績を誇り、人気バスケットボール漫画「スラムダンク」との“名前の縁”でも知られる老舗です。この日は特別に“新酒の仕込み現場”を見学させてもらえることに!海外でも人気を集める名酒が生まれる現場をのぞきました。

目次

湯気立つ仕込み蔵。始まったばかりの新酒仕込みの現場へ

こしきの大きさにびっくり!

1922年創業の「みいの寿」は、造る日本酒の90%以上が特定名称酒で、そのほとんどが純米酒という吟醸蔵です。こだわりの源を探るべく、日本酒の新種仕込みが始まった蔵の中へ。

甑(こしき)と呼ばれる巨大な蒸し器から湯気がもうもうと立ち上り、
「わ、すごい…!」と中上さん。

ここでは1トンもの米を、伝統的な和釜で1時間かけて蒸し上げています。

「酒米は“炊く”じゃなくて“蒸す”んですよ」と蔵元杜氏・井上宰継さん。“疑似米”を米の下に敷くことで、ムラなくふっくら蒸し上がるような工夫が施されているんだとか。

さらに「福岡の冬場の気温がぐっと下がり、空気も乾燥している。酒造りにとても向いているんです」とも。昔から良い米と水がそろう福岡県に酒蔵が多い理由にも納得です。

“一麹、二酛、三造り”の神髄・麹室へ

「麹」造りの過程について解説する井上宰継さん(左)

続いて案内されたのは、金庫のような二重扉の麹室。

「わあ、お米の香り!」

扉を開けた瞬間、甘く温かな香りがふわりと広がります。

麹室には、朝に麹菌をふりかけたばかりの蒸米が、布団の中で寝かされています。2~3日かけて菌を育て、麹を作っているのです。

さらに驚いたのは、麹を“造り置きして冷凍”することで、蔵人たちが交代で土日も休める体制を整えていること。

「働き方改革すぎる!」と中上さん。伝統を守りつつ、科学的な管理が支える現代的な酒蔵の姿を知りました。

もろみは“生きている”を目の当たり

仕込み蔵に並ぶタンク

仕込み蔵に入ると、タンクがずらり。まずは、スターターと呼ばれる「酒母(しゅぼ)」を造っていきます。

蓋を開けると、中上さんは「お花みたいな香り!」とテンションUP。酵母が生むフルーティな香りが広がります。

タンクの中の酒母を見せてもらうと、「ヨーグルトみたい!めっちゃいい香り」。

その後は、大きなタンクに移し、三段仕込みで「もろみ(醪)」造りへ。発酵は温度によって大きく変わるため、しっかりと温度管理がされているそうです。タンクでは発酵熱で自然にもろみが対流し、もこもこ、ぷくぷくと発酵が進む様子に感動!

「自分で動いてる…生きてる!」と中上さん。日本酒が「発酵という生命活動」から生まれていることを実感しました。

三井の寿を飲み比べ…米と造りでキャラが変わる!

みいの寿の日本酒「三井の寿」「美田」を飲み比べ


いよいよ試飲へ。ずらりと並ぶ「三井の寿」らを前に期待が高まります。

「三井の寿 純米大吟醸 斗瓶採り」

最初に頂いたのは、福岡県酒類鑑評会で最高賞の福岡県知事賞を何度も受賞している「三井の寿 純米大吟醸 斗瓶採り」。

「美味しい…! 飲んでからの広がりがすごい」。上品で芳醇な香りの広がりと奥深いコクに、思わずため息。

十四代が18年かけた“奇跡の米”。九州で唯一の「酒未来」

「三井の寿 純米大吟醸 酒未来」

続いて登場したのは希少米「酒未来」を使った「三井の寿 純米大吟醸 酒未来」。この米は“十四代”の蔵が育種した特別な酒米で、認められた蔵にしか使えません。

中上さんがひと口含むと、
「まろやかでスッと入る。グイグイ飲めちゃうやつだ」
華やかでいてコメの旨味も感じる、やさしい甘さとキレが同居する一本です。

黄金色の旨味。ヨーロッパをも魅了する山廃純米の“美田”

「山廃純米 辛醸 美田(びでん)」

続いてヨーロッパで人気があるという「山廃純米 辛醸 美田(びでん)」。黄金色の液面が揺れ、熟成由来の香りが立ちのぼります。

「酸味がしっかりしてて、三井の寿と全然違う」と中上さんもびっくり。

「うちは“色を抜かない”ので、このままの色も楽しんでほしいんです」と井上さん。自然のままの色と味を大切にした一本です。

スラムダンクの“三井寿”は実はここから!

スラムダンクの三井寿を連想させるラベル

三井の寿といえば欠かせないのが、漫画「スラムダンク」との不思議な縁。実は漫画の登場人物・三井寿の名前は、この銘柄に由来しているのです。作者の井上雄彦さんが、かつて対談本で明かしています。さらに、蔵の近くには「流川」という交差点も。

そしてこの縁をきっかけに誕生したのが、「三井の寿 背番号+14 純米吟醸 大辛口」 。

「日本酒の度数を三井寿の背番号14に合わせています。発売日は三井寿の誕生日である5月22日にしました」と井上さん。

ラベルは両A面仕様で、通常デザインの裏側に 赤地×黒文字で「三井の寿」「+14」。ユニフォームを思わせるデザインに。

「いやもう、絶対ファンがうれしいやつ!」と中上さん。実際に、国内外のスラムダンクファンや日本酒ファンの間で人気を集めています。

また、「美田(BIDEN)」がバイデン前大統領の就任時にアメリカで話題になったことも。

「話題から入っても、飲めば“本物のおいしさ”を感じてファンになってくれる。それがいちばん大事なこと」と井上さんは語ります。

大刀洗町から世界へ

杜氏である井上さんのモットーは「科学とセンスと情熱だ!!」。

その深い探究心と情熱は、実績に現れています。
・福岡県酒類鑑評会:福岡県知事賞、議長賞、金賞の常連
・全国新酒鑑評会:23勝1敗

「良い酒を造れば、お客さんは自然と来る」という先代から受け継ぐ精神のもと、「いい酒」を造ることに真摯に向き合い、いろいろな可能性に挑戦し続けています。

三井の寿は通常は酒蔵見学や直売は行っていません。ただ、例年4月頃に蔵開きが開催されていますので、ぜひ公式サイトなどで情報をチェックしてみてくださいね。

みいの寿

住所:福岡県三井郡大刀洗町栄田1067-2
URL:https://miinokotobuki.com/
※酒蔵での見学や直売は行っていません

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