双子の息子たちが2歳の時のクリスマス。まだ自分の欲しいプレゼントを伝えられる年齢ではなかったため、それぞれが好きそうなものをクリスマスイブに枕元へ用意したはずが、まさかの事態に…!新米サンタが大奔走することになった理由とは?
初めての“1人ひとつずつ”のプレゼント

息子たちが成長し、サンタクロースの存在を知ってクリスマスを楽しみにする日がやってくること。それは、私たち夫婦にとっても大きな楽しみでした。
それまでクリスマスには、2人で遊べるものを1つプレゼントとして用意していましたが、好きなものが分かれてきたため、2歳からは1人ひとつずつ渡すことにしました。いろいろと悩んだ結果、アンパンマンのキャラクターに興味津々だった双子の兄には“見ごたえ十分のアンパンマンの図鑑”、乗り物好きな双子の弟には“大きなトラックのおもちゃ”をサンタさんから届けることにしたのです。
サンタさんが来たけれど…

25日の朝。枕元に、いつもはない“何か”を見つけた息子たち。
私が「もしかして、サンタさんが来たんじゃない!?」「よかったねぇ~!」と、劇団員さながらに興奮気味に声をかけると、何となく状況がつかめたのか、双子の弟は “大きな箱”を大切そうにリビングに運んでいきました。
ところが、双子の兄の様子が何だかおかしいのです。
図鑑が入ったプレゼントの包装紙をピリピリと破きながらも、キョロキョロと辺りを見回し、「〇〇くん(自分)のプレゼントは、どこにあるの?」と聞いてくるではありませんか…!
弟が大きな箱を開ける様子を、複雑な表情でじっと見つめる兄。その姿に「これはまずい!」と胸がザワザワしたのを覚えています。
兄の中では「大きな箱=サンタさんのプレゼント」 というイメージで、図鑑も普段読んでいる本の延長に見えたのか、プレゼントとしてピンと来ていない様子でした。
新米サンタの緊急会議!
大好きなアンパンマンのキャラクターたちに大喜びする姿を想像していたのに、サンタさんから届いた自分へのプレゼントが「これじゃない」と思っているのが、手に取るように伝わってくる…。申し訳なさと不憫さでいっぱいになり、緊急会議が開かれました。
クリスマス当日の午前中に、再度トイザらスへ向かい、こっそり追加のおもちゃを購入することに。一緒に買いに行くわけにはいかないので、息子たちは夫と駐車場で待機し、その間に私が混雑する店内で“アンパンマンのお医者さんセット”を購入。何食わぬ顔で車のトランクへそっと隠しました。
1日遅れの笑顔と学んだこと

翌朝、1日遅れて枕元に届いた“大きな箱”に大喜びした双子の兄。
「次の日に届けてくれるなんて、のんびり屋のサンタさんだね」と、私は再び劇団員ばりの演技で乗り切ったのでした…。
双子の兄の笑顔を見ることができて、ホッとしたと同時に、プレゼント選びは“慎重さ”と“ちょっとした気遣い”が大切だと学んだクリスマスでした。
それ以来、わが家のサンタさんは、プレゼントの“箱の大きさ”をなるべく揃えるように。今では、ゲームソフトなど小ぶりなプレゼントが増え、成長した双子たちの姿にちょっぴり淋しさも感じています。
(ファンファン福岡公式ライター/いと)




