保育園の帰りに、娘と行きつけのパン屋さんに寄り道。テラス席で買ったパンを手渡した瞬間、娘が火をつけたようにギャン泣きし始めます。周囲の痛い視線を感じつつ、お気に入りのパンを手に入れたはずだった娘の要求を探ると…。
保育園の帰りのお買い物がルーティン
娘が保育園に通い始めてしばらく経ち、生活も落ち着いてきたころのこと。保育園からの帰り道で、ちょっとした買い物やお散歩など、少しだけ寄り道するのが毎日の習慣になっていました。
その日も帰り道で行きつけのパン屋さんの前を通りかかったところ、パンが大好きな娘は
「買う!」と目を輝かせます。ちょうど明日の朝ご飯が決まっていなかったので、パンを買って帰ることにしました。
朝食用のパンとおやつをゲット

娘を抱っこしてお店に入ると、案の定、娘はお気に入りのパンを指さして、「これ!これ!」と連呼。
あまり騒がれてもお店に迷惑なので、「今すぐ食べさせろってグズるだろうな…」と思いつつ、まずは5個入りの甘いおやつパンをトレーに乗せました。
当初の目的である、朝食用の総菜パンもいくつか選んで早々にレジへ。娘は相変わらず
「今、食べる!」と言いながら、少々機嫌の雲行きが怪しくなっていく気配を感じました。
会計を終わらせ、
「お座りしていく?」と聞くと、笑顔で「うん!」とうなずく娘。
夕飯前ではありますが、ちょっと座っておやつを食べてから帰ることにしました。
食べたかったんじゃないの?突如ギャン泣きする娘

お店を出て、テラス席に着席。テラスは人通りの多い歩道に面しており、娘はベンチに座りながら足をブラブラさせて、お目当てのパンを待っていました。私は急いで娘が選んだパンの袋からひとつを取り出し、手渡しました。すると…。
「ちがうーーーー!」
娘は通りに響き渡る大声で泣き出し、私は思わず「え?」と声を出してしまいました。
あんなに欲しがっていたパンを目の前にして、ただただギャン泣き。
店の前を通りかかった人が、あまりの大音量にこちらを見る視線がちょっと気になりました。
私は戸惑いながらも娘の要求を探ります。
「このパン嫌なの?」「お家で食べたかったの?」などと聞いてみますが、娘は大きな声で泣くばかりです。
それは想定外です…謎要求に、母はぐったり
もう退散しようと考え始めたとき、娘が残りの4つのおやつパンが入った袋を指さして、「これー!」と言っていることに気づきました。ここでやっと要求がなんとなく分かりました。
「あ、これ?袋ごと欲しいってこと?」
娘は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら頷きます。全部渡したくはありませんでしたが、とりあえずこの場をおさめるため、私はしぶしぶ袋ごと手渡しました。
娘は「なんで分からないの!」と言いたげに泣き止んでその袋を取り、パンをひとつ手に取ったまま、もうひとつ取り出し始めました。
「落としちゃうよ。1個ずつね」と声を掛けますが、聞き入れられるはずもありません。
イヤイヤ期もいつかは終わるはず…

この後、娘の機嫌はお気に入りのパンでも持ち直さず、すぐに無理やり抱っこして帰宅しました。
家に着くと、ケロッと機嫌をよくして遊んでおり、さっきまでの気分との高低差にどっと疲れを感じてしまいました。
娘は今もイヤイヤ期真っ只中。成長の過程とは理解しつつも、余裕がないときはイラっとしてしまったり、優しく声がけができないこともあります。パン事件があってからは、娘の意向になるべく添えるよう、まずは本人がどうしたいか聞いてみることにしています。
「あんな頃もあったな」と笑って振り返れる日がくると思いつつ、イヤイヤ期を広い心で乗り切りたいと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/Tonari_usagi)





