思わず「死んだ方がマシ…」 軽装備で行った、夫婦の初キャンプで思いもよらないことに!

子どもができる前、キャンプによく出かけていた私と夫。楽しい思い出がたくさんありますが、初キャンプでは準備が甘すぎて痛い目を見ました。山の寒さを侮ってはいけません。

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夫婦で初キャンプ

写真AC

10年ほど前のこと。
雑誌のキャンプ特集を見た夫が、突然「キャンプしたい!」と言い出しました。

当時はまだ子どもがおらず、乗っていたのは車ではなく中型バイク。
夫はバイクで持っていけるコンパクトなものを中心に、キャンプグッズを集め始めました。私は「一度やったら熱が冷めるのでは?」という懸念があったので、お金をかけすぎないよう釘を刺しました。

そのためランタンは1,500円ほどの懐中電灯で代用することにし、たき火台は
「やってみて必要と思ったら買えば?」と言って、買いませんでした。

キャンプ場で際立つ装備のひ弱さ

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初キャンプの日程は、5月のゴールデンウィーク。山の中にあるオートキャンプ場に向かいました。

到着すると、周りは車ばかり。
乗り物も荷物も、私たちが最も小ぢんまりとしていました。しかし、初めてのキャンプにテンションが上がっていたため、ひ弱な装備であろうと、あまり気になりませんでした。

やがて夕方になり、周りで明かりが灯り始めます。大きくて立派なランタンばかりの中、私たちもランタンと懐中電灯のスイッチをオン。

すると、唖然。なんとも弱々しい明かり。
周りに比べて、圧倒的に暗いのです。

しかしこのときはまだ、そんなこともハプニングとして笑える余裕がありました。

凍える寒さに「死んだ方がマシ」

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問題は夜。ひ弱な明かりを頼りに、夕飯の支度をします。
メニューは焼き肉。コンロで火を起こし、網に肉を乗せて待ちます。

しかし、肉を乗せてから3分。
待てど暮らせど「ジューッ」という音が聞こえてきません。空腹をこらえ、焼けない肉を無言で見つめます。

さらに5分。状況は変わりません。それまで現実を認めたくなくて黙っていた私ですが、意を決して言いました。
「肉、焼けてなくない?」
「やっぱり?」と夫が言い、ようやく炭を確認。
すると、火は出ておらず、くすぶって煙しか出ていないではありませんか。

もう一度火を起こし直すと、今度は「ジューッ」という音が聞こえ始め、ようやく空腹を満たすことができました。

しかし食事を終えると、今度は全身に寒さが走ります。
実はその地域では、1週間前に雪が降ったらしく、5月というのに気温は5度を下回っていました。

ところが、たき火台がない私たち。たき火で暖を取ることができません。なぜ買わなかったのか。とても後悔しました。

仕方なくバーベキューコンロに体を寄せますが、手元しか温まりません。あまりの寒さに、どんどん会話がなくなる夫と私。
「こんなに寒いなら、死んだ方がマシ…」
思わずそう呟いていました。後にも先にも、そんなことを思ったのはこのときだけです。

私が限界であると判断した夫は
「テントに入ろう」と切り出し、予定よりも早く寝ることに。そして、ここでもまた後悔します。

「なぜ、もっと防寒グッズを持って来なかったのか」と。持ってきた服を全て着て、寝袋にくるまっても、全く温まらないのです。

最後の望みは、使い捨てカイロ。全身に貼って
「早く温まってくれ~」とこすり続けていると、少しずつ効果を発揮し始めました。そのうちに、凍てついた足先がやっとほぐれ、なんとか眠りにつくことができました。

翌朝の陽の光は、とても温かく感じました…。

それでもキャンプは楽しい

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寒さに凍えた初キャンプ。
しかし終わってみると、非日常体験の虜になっていたので不思議なものです。

なんと2週間後には、装備を強化してまたキャンプへ。真っ先に買ったのは、ランタンとたき火台でした。

今では子どもができ、車にも乗るようになり、大きな荷物を持っていけるようになりました。子どもたちはまだ目が離せない年齢なのでキャンプはお休み中ですが、グッズは少しずつ増やしています。持ち運び用のハロゲンヒーターや電気ストーブなど、防寒グッズはアウトドアとは思えないほど充実しています。

いつか家族でたき火を囲みながら、初キャンプの情けない思い出を話して、子どもたちにも一緒に笑ってほしいなと思っています。

(ファンファン福岡公式ライター/れな)

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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