【不登校になった6年生の娘】担任の先生からの驚きの提案で、また学校へ通えるようになった話

私には当時小学6年生の娘がいました。友達も多く、毎日楽しそうに登校していました。しかしある日突然、娘は学校に行けなくなってしまったのです…。そしてまた通えるようになったのは、意外なきっかけでした。

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突然「学校に行きたくない」

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それは娘が6年生になって、約1カ月が経った日曜日の夜でした。

夕食後からずっと自分の部屋にいる娘が心配でドアを開けると、娘は部屋の隅でぬいぐるみを抱えながら下を向いて座っていました。そしてか細い声で
「学校に行きたくない…」と言うのです。私は
「何があったの?」
「誰かとケンカしたの?」といろいろ聞きますが、娘はただ首を横に振るばかり。

とりあえず翌日は学校を休ませることにしました。

わからない娘の気持ち

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翌日の朝、学校に電話をしました。担任はベテランの女性の先生です。娘の様子を伝えると先生はとても驚き、学校でのトラブルも心当たりがないとのこと。先生は
「娘さんと話したい」と言いましたが、娘は部屋から出てきませんでした。

それから一週間、娘は学校を休み続けました。ただしばらくすると、時々笑うようになりました。そこで先生から
「一度学校に来て話を聞かせてほしい」と連絡があり、娘は躊躇していましたが、私が一緒に行くという条件で了承してくれました。

先生からまさかの提案

翌日の夕方。他の生徒が下校した後に、娘と私は学校を訪れました。

校門では先生が優しく出迎えてくれました。久しぶりに教室に入ると、娘は落ち着かない様子でキョロキョロと辺りを見回します。先生がさりげなく学校に行けない理由を聞きましたが、娘は口を固く閉ざしたまま…。

そこで先生が
「どうしたら学校に来れるかな?」と聞くと、娘は少し考えて
「このぬいぐるみと一緒だったら行く」と言いました。それは娘が小さい頃から大切にしている猫のぬいぐるみ。学校に行けなくなった日も、娘はそのぬいぐるみをギュッと抱きしめていました。

しかし学校には、おもちゃなどの私物を持ち込まないという校則があります。そこで私は娘に、やんわりと否定しました。

ところが先生は
「じゃあそうしようよ!」と明るく答えてくれたのです。

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そして
「〇〇さん(娘)が学校に来られるように、この子に力を貸してもらおうよ!」と言って、娘にぬいぐるみの名前を聞きました。

しかし私としては、ぬいぐるみを持ち込む事で他の子から妬まれたり、文句を言われたりするのではないかと心配になりました。すると先生は
「じゃあルールを作ろう」と言い
・持ち運ぶ時はバッグの中に入れる
・ぬいぐるみを外に出すのは教室の中だけ
ということを娘と約束しました。

そしてクラスの皆には、ぬいぐるみが娘にどんなに勇気を与えてくれるか、事前に先生が話をしてくれるというのです。そして
「大丈夫!みんな〇〇さんが大好きだよ!」と先生は娘の手を握りました。

すると娘の表情がパッと明るくなり
「行けそうな気がする」と言いながら恥ずかしそうに笑いました。

再び登校できるようになった娘

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翌日。バッグに入れた猫のぬいぐるみを大事そうに抱えながら、娘は登校しました。私が学校まで一緒に行こうとすると
「大丈夫」と言って1人で家を出ました。

そして昼頃に先生から電話があり、ぬいぐるみはクラスの人気者になり、娘もクラスメイトもとても楽しそうにしているとのことでした。

娘が学校に行きたくなかった理由は、今もわかりません。
でも、ぬいぐるみのおかげで娘はまた登校できるようになりました。

ぬいぐるみの持ち込みについては賛否両論があると思いますが、勇気ある決断をしてくれた先生には心から感謝の気持ちでいっぱいです。 

(ファンファン福岡公式ライター / salice)

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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