累計発行部数3800万部突破の大人気コミックを舞台化したミュージカル「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」が11月17日~30日(日)、博多座(福岡市博多区)で上演中です。23年の初演に続いてロイド・フォージャー[敏腕スパイ:コードネーム〈黄昏(たそがれ)〉]をWキャストで演じる森崎ウィンさんが、博多座公演開幕を前にした取材会に出席。作品の魅力や再演への思いなどを話しました。
「アクション、コメディー、世界平和。原作の世界観をしっかり表現」

―本作の魅力はどんなところにありますか。
遠藤達哉先生の原作コミックから生まれ、日本オリジナルのミュージカルとして、とてもクオリティーの高い作品に仕上がっていると思います。音楽も秀逸で原作の世界観をしっかり伝えているし、アクションありコメディーあり、さらに世界平和へのメッセージも込められています。

森崎ウィンさん演じるロイド・フォージャー(Wキャスト) 画像提供:博多座
―ロイド・フォージャーという役を演じる際に心がけていることがあれば。
〈黄昏(たそがれ)〉のときはスパイとしての本来の目的に対して、スマートにクールに頭の回転も速くこなしています。一方でロイド・フォージャーは一家の父なので、父親としての振る舞いに気を配っています。アーニャという子ども相手だと結構惑わされたりとか振り回されたりとか、自分の思いとは全然違う方向に行ってしまったりと、少し抜けている部分もあります。自分が何かをしようというより、相手から受けるもの(に返す演技)が多いかもしれないですね。

木内健人さん演じるロイド・フォージャー(Wキャスト) 画像提供:博多座
―再演に当たっての思いを。
僕は普段しゃべり声も歌声もハイトーンなほうで難しかったのですが、初演では声を低くしようとチャレンジしました。再演に当たっては前回よりも自分の思い描いている〈黄昏(たそがれ)〉に近づいているというか、低い声も初演時のチャレンジが生きているように思います。それと初演から2年の時を経ていますので、その間にいろいろな現場で経験を重ねて学んだものをぶつけてみようと思いました。また、再演から新しく加わったロイド・フォージャー役(Wキャスト)の木内健人くんも短期間ですごく努力してくれたし、素晴らしい人ばかりでチームワークもとても良好なんですよ。
「博多座の舞台は声が響いて気持ちよく歌えるんですよ」

―今回の埼玉、東京、大阪公演での観客の反応は。
めちゃくちゃいいですよ。子ども連れの方も多いです。大人は笑わない場面でも、子どもの笑い声が劇場に響いて、その声につられて僕らも楽しくなるという、ほほえましい瞬間が生まれるのがすごくうれしいです。〈黄昏(たそがれ)〉は「子どもが泣かない世界をつくる」のがスパイになった要因の一つでもあり、子どもへの思いがすごく強いはず。子どもの笑い声は森崎ウィンとしても心がキュンとなります。
―公演中の体調管理で心がけていることは。
ランニングです。4、5㎞くらいですが、週に6日。博多でも走りますよ。
―2年前の博多座公演での印象を。
博多座は歴史ある劇場ですし、そこに立たせていただけるのはとても光栄です。舞台が大きくて、声が響いて歌うとすごく気持ちいいんですよね。2年前はその響きに驚きました。それと楽屋が和室なので、何か引き締まる思いがします。まだ客席から見たことがないので、いつかお客さんとして足を運びたいです。

―本作を初めて見る方へメッセージを。
原作を読んでいなくても、アニメを見ていなくても、存分に楽しめるミュージカルです。なぜ僕が自信を持ってこう言えるかというと、あるドラマでご一緒したプロデューサーさんが見に来てくれたんです。50代後半の原作も何も知らない人なんですが、終演後に目をキラキラさせながら「ウィンくん、めちゃくちゃ面白かったよ!」と子どものように喜んでいました。スカッと笑えて、かわいい子役が見られて、いい音楽が聴けて。そして物語は、私たちが手を伸ばした先の国で起こっていることかもしれない。そんな現在の世界情勢もちょっと考えさせられるような、すてきなメッセージが込められた作品だと思います。ぜひ博多座にお越しください。

■STORY
男はスパイ×少女は超能力者×女は殺し屋。
≪普通の家族≫を知らない3人の、ちょっと変わった≪仮初めの家族≫の物語
十数年間にわたり、表面的な平和が保たれていた東国〈オスタニア〉と西国〈ウェスタリア〉。西国の情報局対東課に所属する敏腕スパイのコードネーム〈黄昏(たそがれ)〉は幾度も東西両国間の危機を回避させてきた。そんな彼に、東西平和を脅かす東国の国家統一党総裁デズモンドの動向を探るため、「1週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入し、デズモンドに接触せよ」という極秘任務が命じられる。〈黄昏(たそがれ)〉は精神科医ロイド・フォージャーに紛し、家族となる≪娘≫と≪妻≫を探すことに。出会った≪娘≫候補のアーニャは心が読める超能力者、≪妻≫候補のヨルは殺し屋という裏の顔を持っていた。
ミュージカル「SPY×FAMILY」
日時:11月17日(月)~30日(日) 12:30、17:30
※18日(火)、22日(土)、24日(月・振休)、28日(金)、30日は17:30なし
20日(木)、26日(水)は休演
場所:博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
料金:平日…A席15,500円、B席10,500円、C席5,500円
土・日曜、振休…A席16,000円、B席11,000円、C席6,000円 ※税込み
【スタッフ】
原作/遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・作詞・演出/G2
作曲・編曲・音楽監督/かみむら周平
【出演】
ロイド・フォージャー(Wキャスト):森崎ウィン / 木内健人
ヨル・フォージャー(Wキャスト):唯月ふうか / 和希そら
アーニャ・フォージャー(交互出演):泉谷星奈 / 月野未羚 / 西山瑞桜 / 村方乃々佳
ユーリ・ブライア(Wキャスト):瀧澤翼 / 吉高志音
フィオナ・フロスト:山口乃々華
フランキー・フランクリン:鈴木勝吾
ヘンリー・ヘンダーソン:鈴木壮麻
シルヴィア・シャーウッド:朝夏まなと
問い合わせ:博多座電話予約センター
電話:092-263-5555
博多座公式サイト https://www.hakataza.co.jp/lineup/57



