私が小さい頃、明治生まれの祖母はちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。祖母の思い出とともに少しずつアップしていきます。
※「祖母が語った不思議な話」シリーズは現在も連載中ですが、サーバー変更にともない初期の話が消えてしまったので、再アップしていきます。

祖母が十歳の夏、日がかんかんに照っている昼間、自分の家で怪異に遭遇した話。
その日は家族全員、朝早くから畑仕事に出ていたが昼食を準備するために祖母は一人で家に戻った。
籠におにぎりと漬物を入れ、薬缶をおくどさん(竃)にかけようとした時、視界の端でなにかが動いた。

向き直るとそこには鼠がいて、こちらを見ている。
祖母は鼠から目が離せなくなり、体も動かず声も出せなくなった。
鼠は少しずつ近づいてくる。
「あぁ見てはいけない!」…そう思えば思うほど鼠の目以外は見えなくなり、息もできなくなった。

「どうした?」
心配して見に来た祖父の一声で息をつけ、動けるようになった。
鼠はもういなかった。
ほんの2〜3分くらいと感じていたが、小一時間経っていたそうだ。
子年生まれにもかかわらず祖母はそれ以来、大の鼠嫌いになった。

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初期話が消えてしまったので、あらためて読めるようにアップしていきます。また、「新・祖母が語った不思議な話」も連載中ですので、ご希望や感想、「こんな話が読みたい」「こんな妖怪の話が聞きたい」「こんな話を知っている」といった声をぜひお聞かせください。一言でも大丈夫です!下記のフォームからどうぞ。
