8月の博多座公演からスタートした「寛平GMプロデュース公演『新喜劇出前ツアー2025』」を展開中の吉本新喜劇が12月13日(土)、よしもと福岡 大和証券劇場(福岡市中央区)にやって来ます。間寛平GM(ゼネラルマネジャー)、内場勝則さん、未知やすえさん、島田珠代さん、九州新喜劇の安井政史さんらが顔をそろえ、師走の福岡に笑いを届けてくれます。10月下旬に福岡入りした島田さんに、芸能生活37年を迎えた自身の話や新喜劇の魅力などを聞きました。
「23人の中から三枚目のポジションを指名されて」

―芸能生活37年。17歳でデビューされたのですね。
元々は女子高の休み時間に各クラスを回って、先生の物まねや一発ギャグをやっていたんです。それを見て親友がダウンタウンさんがMCのバラエティー番組「4時ですよーだ」(1987年4月~89年6月、毎日放送)に応募してくれて。そこで優勝したのをきっかけに、吉本興業のオーディションに受かったのが芸人としてのスタートです。
―その当時のお笑いに対するモチベーションは。
高校では友達が喜んでくれるのがうれしかったし、女子がケラケラと笑っているのを見て幸せやなあと思っていたんです。でも仕事にしたら、全く違うものになりました。当時は必ず新ネタを事務所で見せるというノルマがあって、それをクリアするのに精いっぱい。学校の勉強も上の空だし、友達とのコミュニケーションも一切なくなって、ずっとネタのことを考えていました。お笑いを嫌いにはならないけど、「仕事にすると、こんなに景色が変わるんだ」とちょっと絶望を感じたりもしましたね。ですが仕事を続けていくうちに、「珠代さんの芸を見て元気になった、死ぬのを思いとどまった」といった手紙をもらうようになり「人のためになっている」と思い直した時、「しんどい」という思いが消えました。

―吉本新喜劇のメンバーになったのは。
20歳の時です。最初はピン芸人としてバラエティーに進みたかったけど、新喜劇に入ることに。演出家の壇上茂先生から同時期に入った女性23人の中で「ブサイク(役)はお前だ」と指命され(笑)、いじられて最後は壁にぶつけられるという流れの三枚目のポジションをいただきました。
「毎回違うから飽きない。新喜劇は世界で一番すてき劇団」

―三枚目のポジションはすぐに受け入れられましたか。
新喜劇に入る前に出演していた心斎橋筋2丁目劇場(86~99年)では奇天烈(きてれつ)な1人コントをやっていて、新喜劇でも最初はそのトーンで出てたんですね。2丁目劇場のお客さんは女子高生が中心で、例えば喫茶店の店員でも入院患者でも「ワオ」とか「イエイイエイ」とか言うと受けていたんですが、なんばグランド花月(のお客さん)は子どもからお年寄りまで幅広くて全然受けなかったんです。それで落ち込んでいたら、浅香あき恵姉さんから「たまちゃん、新喜劇ではかわい子ぶるのが三枚目の女子のお芝居だよ。かわい子ぶるほど笑いが取れるし、そこを突っ込まれると、またどっと笑いが起こるんだよ」と教えてもらったんです。その通りにしていたら、笑ってもらえて。だから、その言葉がなかったら辞めていたかもしれないです。それから10年間は休みもなく、お姉さんたちの楽屋でのお世話もしました。楽屋のことを一生懸命やっているからと、舞台でもお姉さんたちが愛情を持って構ってくれたのがありがたかったです。
―新喜劇の面白さはどういう点に感じられますか。
毎回違うから飽きないですね。今はあまり失敗を表に出してはいけない時代になりましたが、昔はせりふを忘れたら「ちょっと舞台袖で台本読んできます」と言うとお客さんが爆笑して。それにメンバーみんなで助け合えるところですかね。1週間でお芝居が変わるので、稽古も3時間ぐらいで初日を迎えてその週の中で日に日に(芝居が)成長していく。そんな、そのとき限りのお芝居がいとおしくて、お客さんも楽しんでくれていると思います。こんな劇団は世界に一つだけだろうし、世界で一番すてきな劇団だと思っています。

―間寛平GMとはお芝居について話したりしますか。
全然しないです。寛平兄さんとのやり取りは方程式が幾らでも出てきて、同じやり取りは一度もないです。76歳でも体力はあるし、若い子に受けるのはどういう笑いなのかとアンテナを張っているのはすごいですね。
―九州新喜劇の安井政史さんとの共演は。
約4年ぶりです。政史の笑いは、なんか事故が起こるんですよね。だから、あまり関わりたくない(笑)。今回は政史が本を書いているので、もしかしたら面白くないかもしれないですよ(笑)。政史が書くと聞いて電話をしたら「はい。僕、書かせてもらってるんで、頑張るんで」と言っていました。4年前も政史の本でやったんですけど、全然面白くなくて。その分、私たちが身を削る、みたいな…(笑)。でも政史は愛されキャラなので、私たちも頑張ってしまうんですよね。
「両親は大分県出身。実は九州の血が流れています」

―最近、福岡での新喜劇の公演が増えましたね。
それはなぜかというと、寛平兄さんが「福岡命」だからです!(笑) (福岡ソフトバンク)ホークスと福岡が大好きなので、やっぱり福岡公演がおのずと増えてくるというか、力を入れていますよね。
―福岡で楽しみにしていることは。
私たちメンバーは福岡のお客さんが大好きです。すごく元気あるし、台本を先に読んでいるんじゃないかと思うぐらい盛り上がってほしい所で盛り上がってくれる。なんか逆に私たちが元気をもらっているというか、乗せてもらっているので、とても気分よく博多駅から帰る感じですね。泊まりだったら、うどん居酒屋に行きたい!

―福岡のファンへのメッセージをお願いします。
わたくし島田、大阪人ぶっていますけど、両親が大分県出身で九州の血が流れています。実家では両親の九州弁が飛び交っていました。福岡県にも親戚がいるし、姉の家族は一昨年まで福岡にいたんです。なので、同郷のよしみでぜひ見に来てください!

吉本新喜劇 in よしもと福岡劇場
日時:12月13日(土)13:30、16:00
場所:よしもと福岡 大和証券劇場(福岡市中央区地行浜2-2-6 BOSS E・ZO FUKUOKA 7階)
料金:前売り3,800円、当日4,500円(税込み)
※前売りチケット完売。追加販売は決まり次第、「よしもと福岡劇場」公式Xで発表されます。
または劇場(092-832-1122)に問い合わせを
問い合わせ:FANYチケット
電話:0570-550-100
吉本新喜劇 in よしもと福岡劇場 https://x.gd/7sSZn
よしもと福岡劇場公式X https://x.com/fukugeki_ysmt





