私が小さい頃、明治生まれの祖母はちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。祖母の思い出とともに少しずつアップしていきます。
※「祖母が語った不思議な話」シリーズは現在も連載中ですが、サーバー変更にともない初期の話が消えてしまったので、再アップしていきます。

祖母が四、五歳の頃、近所の神社の前で地面に棒で絵を描きながら一人遊んでいた。
ふと何かの気配を感じ顔を上げると、目前に広がる田んぼの遥か向こうの竹薮が風も無いのに左から右へ倒れて行く。

「不思議だなぁ…」と思って見ているとそれはぐるっと回り込み、右手の木々も祖母に向かって順に激しくなびいて来ている。
本能的に「これは魔物だ!」と感じたが体が動かない。

もう駄目だと思い目をつぶったその時、誰かに頭から何かをふわっとかぶせられた。
その瞬間、もの凄い速さで何かがそばを駆け抜けて行った。
しばらくして目を開けると祖母は一人、鳥居の内側にしゃがんでいたそうだ。

チョコ太郎より
初期話が消えてしまったので、あらためて読めるようにアップしていきます。また、「新・祖母が語った不思議な話」も連載中ですので、ご希望や感想、「こんな話が読みたい」「こんな妖怪の話が聞きたい」「こんな話を知っている」といった声をぜひお聞かせください。一言でも大丈夫です!下記のフォームからどうぞ。
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