冬のごちそうといえばフグ料理。けれど「フグは食いたし命は惜しし」ということわざがあるように、フグの毒は非常に強力で、わずかな量でも人の命を奪うことがあるほどです。フグによる食中毒は毎年全国で数件~数十件発生していて、そのほとんどが家庭内で起こっています。
「このくらいなら平気だろう」といった油断が、取り返しのつかない事態を引き起こすかもしれません。

テトロドトキシンの毒性は、青酸カリの約1000倍!
フグが持つ毒「テトロドトキシン」は、青酸カリの約1000倍ともいわれる非常に強力な神経毒です。現在のところ有効な解毒薬はありません。加熱しても分解されないため、煮たり焼いたりしても毒性はなくなりません。
フグの有毒部位を食べた場合、通常20分~3時間程度の短時間でしびれやまひなどの症状が現れます。重症の場合は呼吸困難で死に至ることもあります。

正しい知識と行動でフグ食中毒を防ぐ! 3つの鉄則とは?
鉄則1:自分でフグを調理しない!
日本近海には多くの種類のフグが生息していて、食用として認められている種類や部位かどうか、簡単には見分けがつきません。フグを自分で調理することは大変危険です。
鉄則2:流通品やふぐ処理師が処理したものを食べる!
フグは、専門知識や技術を持つ「ふぐ処理師」またはその資格保有者の立ち会いの下で処理されたものでなければ販売・提供できません。食べるときは、飲食店やスーパーなどで販売されているフグを食べましょう。
鉄則3:釣ったフグは食べない! 人にあげない!
釣れたフグは、絶対に持ち帰って食べたり、他人に譲ったりしてはいけません。良かれと思ってお裾分けしたフグが、相手の命を奪ってしまう悲劇につながる可能性があります。釣れたときは、海に帰しましょう。

【コラム】危険な毒はフグだけじゃない! テトロドトキシンを持つ生き物
フグの毒「テトロドトキシン」は、フグ以外の生き物も持っていることがあります。身近な海岸にいる可能性もありますので、見かけることがあっても決して生き物に触れないように。絶対に食べてはいけません。
・ヒョウモンダコ
福岡市でも博多湾内外で発見されている、体長10cmほどのタコです。唾液に強力なテトロドトキシンを含んでおり、かまれると非常に危険です。鮮やかな青いリング模様は威嚇のサインです。
・ツムギハゼ
沖縄県などの暖かい海に生息する小さなハゼの仲間です。食用のマハゼに似ていますが、皮膚や内臓に毒を持っています。
●問い合わせ
福岡市 保健医療局 保健所 地域衛生部 食品安全推進課
Email: shokuhinanzen.PHB@city.fukuoka.lg.jp
提供:福岡市保健医療局
