娘が年長の時の出来事です。娘と同じクラスのY君には小学2年生のお兄ちゃんK君がいました。娘にも3年生の兄がいて、小学校が同じということもあり、Y君のママとも立ち話をする仲に。K君が2年生になって少し経つと、Y君ママは「兄が担任と合わないようだ」と悩んでいる様子でした。「大丈夫かな…」と心配していたら、ママ友の行動はどんどんエスカレートしていき、とうとう学校や保護者を巻き込むことになっていってしまったのです。
新しく赴任してきた先生

K君が2年生になったとき、新しく学校に赴任してきた先生が担任になりました。50代くらいで少し厳しそうな印象を受ける男の先生でしたが、笑顔で元気に挨拶をしてくれる姿もあり、私自身は特別嫌な印象は受けていませんでした。
ただ、怒ったり機嫌が悪かったりすると、大きな声で怒鳴ったり机ををバンバン叩いたり、威圧感のある態度をとることもあったようです。その態度が怖くて、学校に行きにくくなってしまった子がクラスに何人かいたようで、K君もその1人でした。
学校の対応に納得できないママ友

心配したママ友は、「息子が学校に行けなくなってしまったのは担任が原因だ」と、学校に対応をお願いしたものの、なかなか状況は変化しませんでした。すると、ママ友は自分で何とかしようと思ったのか、毎日下校時間に校門に立ち、同じクラスのお友達に「今日の先生はどうだった?全部教えて!」と聞いてはメモを取っていました。
はじめは答えてくれていたお友達も、毎日校門でK君のママに話しかけられるのが嫌になってきて、「K君のママに会うのが怖い…」と言って学校に来られなくなってしまうお友達もいたようです。
そのことで保護者から学校に苦情が来て、学校から注意されたママ友は、「それなら、先生の態度が良くない証拠を自分でつかんでやる!」と、授業中に廊下からスマホでクラスの様子を録画していたそうです。この行為は盗撮として問題になり、教育委員会まで巻き込む騒動となってしまいました。
結局、教育委員会と学校からの厳重注意を受けたママ友ですが、全く納得しておらず、「じゃあ堂々と監視してればいいんでしょ!」と言い、おにぎりを持参して毎日教室の後ろの席に座り一緒に授業を受けていたそう。子どもたちの中には、「なんで私のママは来ないの?」「K君だけずるい!」と騒ぎだしてしまう子も。担任の先生だけでは収拾がつかなくなり、教頭先生がクラスに入ることも頻繁にあったそうです。
学校は以前から保護者の授業見学を許可していたため、今更ダメとは言えず、この状態が数カ月続いたようです。教頭先生からママ友に、「心配な気持ちはわかりますが、職員で見守りますので、一度お子様から離れてみてはいかがですか?」という提案もあったようですが、ママ友は拒否。結局、担任の先生の方が心身に限界が来たということで、2学期の途中で担任を交代することになりました。
学校との対話を大事に…
このママ友の行動は噂として広がり、学校からは、授業参観以外の授業の見学や学校内での録画は禁止等の注意事項が周知されました。後に聞いた話だと、学校も何もしていなかったわけではなく、先生に指導をしたりアンガーマネジメント講習を受講させたりと、できることはしていたそう。
今後もし同じようなことがあっても、学校と協力し、子どもたちのためにきちんとマナーを守って対応していきたいと思った出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/溝野 奏)



