「そんな胸で、母乳が出るの?」義母の心無い言葉… 救ってくれた意外な人物の言葉に涙

出産後、ホルモンバランスの影響や慣れない育児の疲れから、ちょっとしたことに傷ついてしまうママは少なくありません。何気ない一言が、心にグサリと刺さってしまうことも…

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出産で変化した価値観

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出産前後で、大きく価値観が変わる体のパーツといえば、「おっぱい」ではないでしょうか。

産前は、大きな胸や形の良い胸がもてはやされていたのに、産後は、しっかり母乳が出るか、乳首は赤ちゃんが吸いやすい形をしているか、そんなことが重要になってきます。

独身時代は少しでも胸を大きく見せようとする方が多いのですが、授乳中は「母乳さえ出れば、それだけで良い」私もそんな気持ちでいっぱいでした。

そんな「おっぱい」で、義母と一触即発の事態になりかけた友人のAさん。その修羅場から救い出してくれたのは、意外な人物だったのです。

スレンダーな体型が不安の種に

小柄でスレンダーなAさんは、学生時代からの友人です。

結婚後、待望の赤ちゃんを授かりましたが、妊娠初期からつわりがひどく、体重は減る一方で、入院を余儀なくされました。入院は長期化せずまもなく退院しましたが、大きくなった子宮が胃を圧迫して食欲が湧きません。

子どものために、なんとか食事をとっていましたが、臨月になってもおなか以外はスレンダーなまま。臨月になっても、妊娠前の体重から3キロしか増えていませんでした。

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それでも、生まれてきた赤ちゃんは健康そのもの。

ママから栄養をしっかりもらって、ふくふく艶々で可愛らしく、Aさんは「この子のために、たくさんおっぱいを出して、大きく大きく育てないと!」と強く思ったそうです。

子どもが生まれたからといって、母乳が自動的に出るわけではありません。おっぱいが出やすくなるようにマッサージをして、赤ちゃんに吸ってもらうことで、オキシトシンというホルモンの働きが活発になり、乳腺が開いて母乳が出るようになるのです。

Aさんが出産した病院では、出産直後から3日間は母子分離だと決まっています。ママは病室に、赤ちゃんは新生児室にいるため、一日に何回も授乳室に行って授乳をします。授乳室にいるのは、みんな新米のママばかりなのですが、なかには経産婦もいて、出産直後から母乳をあげているママもいます。一方、Aさんはまだ母乳が一滴も出ません。

さらにAさんを焦らせていたのが、おっぱいの大きさでした。というのも、Aさんはもともとスレンダーな体型で、バストは大きくありません。妊娠中もつわりで苦しみ、ほとんど体重が増えなかったせいか、胸も大きくなりませんでした。授乳室を見回すと、スイカやメロンのように大きな胸が、目に入ってきます。Aさんは、そこにいるママ達の中で、自分の胸が一番小さいと感じ、とても焦ったそうです。

「私の胸が小さいせいで、母乳が出なかったらどうしよう…」

母乳が出ない…焦りと不安

赤ちゃんを抱き上げ、その小さな口に乳首を含ませても、ちっとも母乳が出てこないので、赤ちゃんは、顔を真っ赤にして泣いています。
「母乳が出ない…」

不安で押しつぶされそうになりながら、看護師さんに相談をすると、
「母乳が出るようにお手伝いしますよ!あとで病室に伺いますので、乳腺を刺激して、貫通を促すマッサージをしましょう」と声をかけてくれました。

「助産師さんがマッサージしてくれたら、きっと母乳が出る」不安と期待が入り交じりながら病室に戻ると、夫と義母が来ていました。

その日は、出産から3日後。その日から新生児室にいた赤ちゃんは病室にやってきて、ママのベッドの横でコット(ベビーベッド)に寝かされます。 すやすやと眠る初孫を見て、大興奮の義母。たくさん写真を撮り、起きてふにゃふにゃとグズる孫を抱いて、満足そうです。

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一方、Aさんは「もうすぐ授乳の時間だから、そろそろ帰ってくれないかな…」と思っていましたが、義母は孫と遊んでいます。ついにおっぱいを求めて、あぁーん、あぁーんと赤ちゃんが泣き始めたちょうどその時、さきほど励ましてくれた看護師さんが来てくれました。

「Aさん、そろそろ授乳の時間ですよ。マッサージしましょうか」
Aさんは看護師さんの顔を見たら、力が湧いてきて
「あの… これから授乳なので、すみません」と、義母に退室を促しました。ところが、義母はもっと孫の様子を見ていたいようで、席を外す気配がありません。 授乳ケープがないため、仕方なく、洋服で胸を隠すようにして、授乳をしようと試みました。ところが、顔にかかる洋服が嫌なのか、赤ちゃんはグズって、乳首に吸い付いてもくれません。

そうこうしていた時、義母が突然こう言い放ちました。
「そんな小さな胸で、母乳が出るの?」

涙がこぼれたのは優しい言葉の方でした

「自分の胸が小さいから母乳が出ないのでは」と、自分自身が一番気にしていたAさん。

その不安を義母にストレートに指摘され、思わず涙がこぼれてしまいそうに。そんなAさんを見て、動いたのは看護師さんでした。
「まだお母さんになったばかりですもの。赤ちゃんだって、はじめから上手におっぱいを吸える子なんていません!さあ、母乳が出やすくなるようにマッサージをするので、お部屋から出てくださいね」と、にこやかに義母と夫を病室から追い出してくれました。

「大丈夫ですよ。ちゃんとおっぱいが出るように一緒にがんばりましょう!もともとのおっぱいの大きさと母乳の量には、関係ないんだから」

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看護師さんのそのひと言にAさんは不安が少し晴れ、気が付くとポロポロと涙がこぼれていました。

その後、Aさんは、最初の不安が何だったのかと思うほど順調に母乳が出るようになり、子どもはすくすくと成長しています。

産後は、ホルモンバランスの影響や、慣れない育児で心身ともに不安になりがち。何気ないひと言で「気持ちが不安定な新米ママ」の心を傷つけてしまうことも。周囲の人たちは温かい言葉をかけて、ママを支えてあげたいですね。

(ファンファン福岡公式ライター/さち)

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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