出産後、義父が毎月自宅に来るようになりました。一見子ども好きのやさしい義父のように思えますが、わが家の義父はひと味違いました。夫の父とはいっても、私は義父の訪問マナーのなさを許せません。さっそく、どんなところが変わっているのかお話したいと思います。
訪問日程の連絡は早くて前日

義父からの突然の着信。夫にかかってきたその電話の内容は、「明日家に行ってもいいか」というものでした。
「どうする?」と、日ごろから私の顔色をうかがいながら生活する夫が許可を求めてきました。私は内心断りたい気持ちでいっぱいでしたが、義父は娘にとっては“祖父”であることを思い出し、渋々承諾しました。
夫の実家は私たちの住んでいるところとは他県なのですが、これまでにも何度か急な訪問があり、私は日ごろから「親戚を家に呼ぶのは必要最低限にしてほしい」と夫に頼んでいました。
それ以来、イベントごとがなければ家に来ることはなかった義父ですが、子どもが生まれてからは訪問頻度が増加。5人の子を育て上げた義父は毎月、娘に会うために自宅に来るようになったのです。
訪問予定時刻の1時間前に到着

「ピンポーン」義父訪問当日の朝、私が部屋の片づけをしているとインターホンが鳴りました。時計を見るとまだ10時前。義父たちとの約束の時間は11時でした。
「なんだろう、宅急便かな」と都合の良いようにとらえたも束の間、窓の外を覗くと義父の車が停まっていました。私は化粧もままならないまま、急いで夫をたたき起こしに行きました。
マイペースな親子両者に苛立ちを感じながらも、私は急いでテーブルに置いてあった公共料金の明細書やハガキの束を近くの収納に隠蔽し、玄関へ向かいました。
「ごめん、ごめん。道路が空いていて早く着いちゃったよ」と義父。
「いらっしゃい。」やっとのことでそう答えると、
「あら、〇〇(夫)は何してるの?」と義母が訊いてきました。
「まだ今起きたばかりで…」
すると義父は、
「なんだよ、しょうもないなあ」とため息をつきました。
私は「しょうもないのはどっちだ」と思いながらも、義父と義母を迎え入れました。
お昼代を出さない上に身勝手な行動を取る義父

まだ子どもが小さいということもあり、お昼は出前を取ることになりました。「お昼代は割り勘かな」と思っていた私は、義父を甘く見ていたのかもしれません。
注文をしていたお弁当が届くと義父は、
「いやあ、悪いね。奢ってもらっちゃって」と言うのです。
「え。あ、いえ」とっさのことに私は上手く返事ができず、旦那はというとそんなことは気にも留めていない様子でした。交通費などを考えたら、私たちがお昼代を負担するのはおかしいことではないかもしれません。しかし、義父の “奢ってもらうのが当たり前” かのような態度にイラっとしました。
また、私たちが実家に帰省した際にはお昼代を出してもらったことがなかったのも理不尽に感じた要因です。世間話などをしながらようやく気持ちが落ち着いてきた頃、義父はさらに突拍子もない行動に出たのです。
「ちょっとシャワーを借りてもいいか?」
「あ、掃除がまだなんで…」
「いいよいいよ、ちょっと汗かいちゃったからさ」そう言うと、義父はお風呂場へと向かいました。
「ちょっと待ってください。シャンプーを切らしてるんです!」
「いいよいいよ、ボディソープだけ借りるね」義父はそう言って強引にシャワーを済ませました。残り少なくなっていた愛用のシャンプーだけは阻止したものの、義父の身勝手な行動にどっと疲れが押し寄せました。
「次から義父の来る時は、洗濯物を浴室に干そう」私はそう固く誓いました。
親しき仲にこそ、礼儀あり
みなさんは親戚や知人に対してどこまで寛容になれますか。「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがありますが、私は「親しき仲にこそ礼儀あり」なのではないかと考えています。
マナー以前に一般常識の通用しない義父を見て、娘が常識知らずの子にならないよう、よりいっそう子育てに注力しようと思いました。
(ファンファン福岡公式ライター /W.M)


