昔から仲の悪かった私の父(じいじ)と叔母(おばちゃん)。ある日ちょっとした喧嘩がヒートアップして、ついには実家が戦場に。矛先は私や娘にも向けられ、心身ともにボロボロに…。そんな中で娘がこぼした、たったひと言に涙が止まりませんでした。
怖いじいじと楽しいおばちゃん

昔から小さな子に泣かれることの多かったじいじ。娘も例外ではなく、じいじに対しては強烈な人見知りを発揮。会うたびにガチガチに緊張し、泣き出すこともしばしばありました。
一方、快活な性格のおばちゃんは、子どもに大人気。娘もすぐに打ち解け、自分から会いたいと言って二人で出かけるほど仲良しになりました。この娘のおばちゃんへの懐き具合が、後々じいじとおばちゃんの大喧嘩をさらに悪化させるきっかけになったのです。
じいじとおばちゃんは性格が正反対。昔から不仲な兄妹で、 これまでも何度も衝突を繰り返してきました 。私が娘を生んでからも、祖父や大叔母としての娘への接し方の違いから互いに不満を抱えていたようです。 そんな中、娘の気持ちは日に日におばちゃんへ傾き、 じいじとしては面白くない気持ちが募っていったのでした。
おばちゃん爆発&じいじ暴走!実家への呼び出し

ある日の夜、 突然電話が鳴り、受話器の向こうからはじいじとおばちゃんが怒鳴り合う声が聞こえてきました。
「とにかく今すぐ来い!来ないと何が起こるかわからないぞ」と言われ、私は夜道をパジャマのまま実家へ走りました。
どうやら、全く別件で始まった言い争いが日頃の不満からどんどん広がり、最終的に「私や娘がじいじとおばちゃんのどちらの味方なのか」という話に発展していったようでした。
じいじは
「あんなやつの影響を受けたらどんな人間になるか考えてみろ!」「◯◯(娘)に対して悪影響だ!」と声を荒げ、おばちゃんは
「あんたたちの面倒を見ているのは誰だと思っているの!?」
「あんな親をもったあんたたちが可哀想だわ!」と、私に詰め寄ってきました。
やがておばちゃんが離席すると、じいじが私に
「あいつはさっき、俺に対して消えてしまえと言ったんだ。お前はいつもあいつの味方をするから、お前も俺が消えてしまえと思っているということだな」
「お前はあいつに洗脳されている。俺が洗脳を解いてやる」と言い始めたのです。
私は懸命に、どちらかの味方とか敵とかではないということ、消えてほしいなどと少しも思っていないことを伝えましたが、じいじの耳には全て歪んで伝わり 、受け入れてもらえませんでした。これまで信頼してきた父に全く信じてもらえず、このようなことを言われた悲しみと悔しさと絶望で、涙を堪えきれませんでした。
そして、そのやりとりは、 私が「はい、もう洗脳は解けました。もう叔母とは関わりません」と言うまで続いたのでした。
さらに、じいじから解放された後には、おばちゃんから
「お前があんなこと言うとは思わなかった」
「お前はいつも人の気持ちを考えられない」と批判され続けたのでした。パジャマで歩く真夜中の帰り道。もう涙さえ出ませんでした。
翌日、朝起きてすぐに私を心配してくれた娘。
「じいじとおばちゃんが喧嘩しちゃって、まだ仲直りできていないから、しばらくはパパとママと遊ぼうね」と伝えると、
「また、じいじとおばちゃんと遊びたいのになぁ…」とぽつり。昨日浴びせられた心無い言葉と、大人を純粋に慕う娘の気持ちに、思わず涙があふれました。
じいじとおばちゃんのその後というと…

数日後、おばちゃんから
「ああは言ったけど、水に流すよ」と連絡が。正直、何を言っているのか分かりませんでしたが、おばちゃんを慕う娘を思ってぐっと言葉を飲み込みました。
現在、おばちゃんは、何事もなかったかのように娘に接しています。娘も、おばちゃんと一緒に楽しそうに過ごしています。じいじも、騒動後に生まれた下の子が懐いてくれたことで機嫌よく過ごせています。娘も人見知りを克服し、一緒に遊べるようになりました。
まさか実の家族との関わりにもこんなに気を遣わなくてはならなくなるなんて…。今後も平穏に過ごせることを願っています。
(ファンファン福岡公式ライター / June)


