キャンプ場に熊が出るかもしれない。そんな不安から、私は熊鈴や熊よけ笛を準備し、対策は万全にしています。一方、夫は「熊なんて出ない」と楽観的。正直、熊より油断しすぎの夫のほうが心配なのです!母不在の父子キャンプに、いつも私の心は落ち着かず…。
父子でキャンプに誘われたが…

夫の中学時代の友人にキャンプ好きの男性がいます。小学4年生の息子さんと毎年父子キャンプを楽しんでいるそうですが、二人きりでは物足りなくなったようで、昨年から我が家の夫と息子も誘われました。
子ども同士も同学年・同姓ということもあり、「父子キャンプをしよう!」とすぐに意気投合。しかし、ここは北海道。今年も各地で熊の目撃情報が相次いでいます。
実際に公園が熊の出没で閉鎖されるニュースも珍しくありません。そんな報道を耳にするたび、私は夫と子どもの安全が気がかりでなりませんでした。
母の「熊対策」始まる

初めての父子キャンプとなった昨年は、川遊びをするというので子ども用のライフジャケットを購入。さらに熊鈴とクマよけ笛も準備しました。
ところが夫は「熊なんて出ないよ!」と取り合わず。私は心配のあまり、子どもにだけ熊鈴と笛の使い方を教え、当日こっそり持たせたのです。幸い無事に帰宅し、道具を使うこともありませんでした。
しかしその経験が、夫の「熊なんて出ない」という自信をより強めてしまったのかもしれません。北海道出身の夫なのに、熊への危機感が私とはまるで違うのです。
今年も子どもは「鈴つける!」「笛持っていく!」と楽しそうに準備しているのが救い。でも、そもそも熊が出る前提でキャンプに行く人なんて、そういないと思います。けれど、「もしかしたら出るかも」と考え、子どもを守る心構えを持ってほしいのです。
心配なのは熊より夫

小学4年の息子は冒険心いっぱい。高い所に登り、細い道を探検と称して突き進む毎日です。そんな子がキャンプ場に行ったら、川を見れば飛び込み、森を見れば奥へ進もうとするでしょう。
正直、熊より怖いのは「夫の油断」です。昼間から焼肉をしてビールを飲み、子どもを放置… そんな光景が目に浮かびます。母親は会話の最中でも子どもに注意を飛ばせるものですが、夫にそれを期待するのは難しいかもしれません。
「もし熊が出たら、身をていしてでも子どもを守ってほしい」と思うものの、酔っぱらった夫と熊の対決では勝敗が見えている気がします。しかも今年は小学1年の次男まで同行。ますます心配が募ります。
「母の仕事」は休みなし!
夫から「子ども二人を連れて行く」と聞いたとき、最初は心が弾みました。10年ぶりに“お母さん業”を一晩だけ休めると思ったからです。
「夜は友人を誘って久々に飲もうかな」とウキウキしたのも束の間。どうしても心が落ち着きません。原因はもちろん、夫の「熊なんて出ない!」という楽観ぶり。
「熊鈴と笛は子どもの分しか買っていませんからね」と、心の中で夫に言い返しながらも、子どもたちが無事に帰ってきて「楽しかった!」と笑顔で話してくれるまでは、落ち着かない時間を過ごすことになりそうです。
結局、子どもがいなくても“お母さん業”は休めないんですよね(涙)。
(ファンファン福岡公式ライター/ダイワ エノ)


