赤ちゃんや小さな子どもの「寝かしつけ」は、本当に難しいですよね。寝てくれないとこちらも寝不足になるし、イライラして自己嫌悪… なんてことも。今回は、保育士として10年間子どもと関わってきた経験と、わが子の寝かしつけを通して見つけたコツを紹介します。
寝かしつけは子どもによって違う
寝かしつけには「これが正解!」という方法はありません。寝るまでの過程は、子どもの性格・月齢・その日の疲れ具合など、いろいろな要素で変わってきます。
毎回同じ方法が通用しないこともあって、「昨日までうまくいってたのに、今日は全然寝ない!」なんて日も。そういう時は「今のこの子には何が合うかな?」と視点を変えてみると、案外うまくいくことがあります。
基本の「トントン」は場所がカギ!

寝かしつけの定番といえば「トントン」。でも、このトントンにも子どもによって好みがあるようです。
背中をトントンされるのが好きな子もいれば、おしりや胸のあたりを優しく叩かれる方が安心する子もいます。少しずつ場所を変えてトントンしてみると、ふいにしっくりくることも。
トントンするときに1番大事なことは、“心地よさ”!お腹をぺちぺち叩いたり、優しすぎてくすぐったいような力加減で触ったりすると、子どもは不快に感じてしまいます。手の力を少し抜き、トンと叩いたときに子どもの体が軽く揺れるくらいの強さがベストです。
もしトントンが合わないと感じたら、指の腹でこするように背中をなでる「スリスリ」で落ち着く場合も。トントンするよりも静かなので、月齢が低い子にも合いやすく安心感があります。
動きがちな子には「やさしくさする」

寝かしつけたいのに、全然じっとしてくれない!そんな時には、動こうとする体を包み込むように、足裏・手のひら・頭や耳など、子どもが気持ちよさそうに感じる部分をやさしくさすってあげるのも良いでしょう。気持ちよさに子どもの動きが自然と止まり、次第に落ち着いていくことがあります。
体に触れられる心地よさと、ママやパパの温もりが、子どもに安心感を与えてくれるのかもしれません。
私自身は「額→眉→鼻筋→こめかみ」を順にやさしくなでると、わが子が落ち着きやすいと感じたことがあります。あくまで一例ですが、リラックスにつながる場合もあるようです。
最終手段!?泣かせて寝かせる方法

かなり荒技ではありますが、わが家の寝かしつけ最終奥義「泣かせて寝かせる」パターンも紹介します。
わが子は、体を自由に動かせないと怒って泣き出すことがよくあります。それを分かった上で、あえてぎゅっと抱きしめたり抱きあげたりしてみます。「イヤー!」と怒ったところでベッドに下ろすと、疲れと開放感でストンと眠りにつくことも多く、結果的に寝かしつけ完了。
ただし、この方法はすべてのお子さんに合うわけではなく、かえって大変になることもあります。あくまで、一例としてのご紹介です。
寝る環境づくりも忘れずに

寝かしつけのコツとして意外と見落としがちなのが「環境づくり」です。
・部屋を真っ暗にする
・オルゴールやホワイトノイズを流す
・室温や湿度を快適に保つ
このような工夫をするだけでも、子どもが眠りに入りやすくなることがあります。寝る前のルーティンとして寝室で絵本を読んだり、同じ音楽を流したりすると、子どもも「これから寝る時間だ」と見通しが持てて、入眠モードに切り替えやすくなるようです。
寝かしつけは、子どもによって合う方法がまったく異なります。ご紹介したのは、あくまで私自身の体験や工夫の一部です。「今日はどの方法が合いそうかな?」と探るヒントになればと思います。
「なかなか寝ないな…」と悩む時に、少しでも参考になればうれしいです。
(ファンファン福岡公式ライター/西村まる)


