幼稚園の駐輪場で、自転車のサドルに乗って遊び始めた4歳娘に、とんでもないトラブルが…。現場には消防車・救急車・警察のパトカーまで集まる大騒動に発展してしまいました。今回は、母である私の油断で招いてしまった、あわや大惨事となるところだった出来事を紹介します。
遊び足りない娘の必死の抵抗

幼稚園のお友達が大好きな娘は、私が迎えに行った後、毎日数時間お友達と遊んでから帰ります。しかしその日はお友達がお休みでした。すぐに帰路についた私達。駐輪場にたどり着いたものの、遊び足りない娘は、電動自転車のチャイルドシートに乗ろうとしません。
そして娘は、電動自転車のサドルに座って遊び始めてしまいました。自転車が倒れなければ危険はないだろうと、そのまま放置していた私。しかし、自転車の鍵を探すために鞄に目を向けた少しの隙に、とんでもない出来事が起きてしまったのです。
娘の足が抜けない?!

「ママ、挟まっちゃった」と、いたずらな笑顔で、娘が私に訴えるのです。初めは状況がつかめなかった私。よく見ると、娘の右足が自転車のペダルとバッテリーの間のわずかな隙間に挟まっているのです。
すぐに抜けるだろうと軽く考えていた私は、
「え、挟まっちゃったの? もう、何やってるの」と軽いトーンで返します。しかし、どうしても娘の足は抜けません。だんだん焦ってきた私は、一人では無理だと判断し、幼稚園の先生を呼びに行きました。
幼稚園の正門まで走り、
「すみません! ちょっと助けてください!」と叫びました。幼稚園の先生が駆けつけてくれましたが、やはり娘の足は抜けません。先生は、他の先生を呼びに行ってくださいました。
4人の先生が駆けつけてくださり、皆で娘の足を抜く方法を考えます。しかし、足を引っ張ったり、タイヤを回したりしているうちに、娘は「痛い!」と言い始めました。娘の顔からはもう笑顔は消えています。
「少し浮かしたほうが痛くないのでは」と、担任の先生は娘を中腰で抱え続けてくださいます。どんどん焦る私。先生方からは
「消防を呼んだほうが…」との声があがってきました。
消防を呼ぶことにした私は、慌てて119にコールしました。動揺していた私は、
「娘の足が自転車のペダルと本体の間に挟まって抜けなくて、痛がってて…」とだけ伝えました。それから消防車が到着するまで、ほんの10分程度だったと思います。しかし、私にはとても長い時間に感じました。
消防車に救急車に警察…大惨事と化した現場

駆けつけた消防車はなんと2台。続いて救急車や警察も到着し、まるで大事故でも起きたかのようでした。消防隊員は、娘の足に潤滑油をかけ、ほんの数分で足を抜いてくれました。その後、救急隊員が、娘を椅子に座らせ、足が痛くないか聞きました。
その時、娘が笑顔で
「痛くない。ここ、かゆい」と虫刺されの部位を指さしました。現場が和やかな雰囲気に包まれ、私も安堵したのを覚えています。それと同時に、たくさんの方を巻き込んでしまったことに罪悪感を感じました。
冷静さを失っていた私は、通報時の電話で、自転車は停車中であること、娘に怪我はなさそうであることを、伝えられていませんでした。消防の方には「走行中に起きた事故」だと伝わってしまったことで、消防や救急、警察まで出動する大事となってしまいました。思わぬ出来事にあった時にこそ、冷静さを保つことが大切であることを痛感しました。
消防が到着するまでずっと娘を中腰で支えてくださった担任の先生はじめ幼稚園の先生方、娘のために駆けつけてくださった消防や救急、警察の皆さんには感謝でいっぱいです。
そして自転車の新たな危険性を知った今、もう二度と、自転車のサドルに乗せて遊ばせることはしないと誓いました。
(ファンファン福岡公式ライター/yutaka)


