「見守る育児」って、ただの放任では? 叱らないママ友に娘が傷ついた話

引越し後、孤独な子育てをしていた私にとって、初めてできたママ友は心の支えになる存在でした。けれど、仲良くなるにつれて、子どもへの関わり方に疑問が募ることに。危ない行動も叱らず、注意もしないママ友。私と娘が傷ついた“あるできごと”を通して、ママ友との距離感について考えさせられたエピソードを紹介します。

目次

孤独な子育ての最中に出会ったAちゃんママ

 娘が2歳になってすぐの頃、夫の転勤で引越したわが家。私にとっては、孤独な子育ての始まりでした。「ママ友がいたらもっと楽しいだろうな」と寂しい気持ちを抱えて過ごす毎日。そんな中、公園で出会ったAちゃんママとは話が弾み、穏やかで感じの良い方だなという印象を受けました。

 その後、半年ほどAちゃんママと会うことはなかったのですが、幼稚園の入園式で再会。私は、再会できた喜びでいっぱいでした。それからは、幼稚園降園後に、毎日のように一緒に遊ぶようになりました。

 Aちゃんと楽しそうに遊ぶ娘。幼稚園の先生にも「Aちゃんとお友達なんだぁ」とうれしそうに話していたそうです。私も、Aちゃんママというこの地域で初めての友達ができ、毎日が以前より充実していました。

仲良くなるにつれ感じる違和感

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 しかし仲良くなるにつれ、違和感をおぼえるように。Aちゃんママの育児方針は、子どもに口出しせず見守ることだったんです。Aちゃんが、立ち入り禁止の遊具に入って遊んでいる時でさえも、注意はしません。

 私の車で出かけることになった日は「嫌がって座らないから…」とAちゃんをチャイルドシートに座らせようとしません。Aちゃんは運転席の隣にきたり、後部座席に立って車の揺れで飛ばされそうになったり。ヒヤヒヤする場面が何度かあり、
 「Aちゃん、危ないから座ってくれる?」と私が注意したことも。少し疲れるなぁと感じ始めていた時、ある転機が訪れました。

娘が受けたショック「ハートパカッだよ!」事件

写真AC

 Aちゃんが娘に「一緒に遊ばないよ!」と突然言うようになったのです。それでもAちゃんが大好きな娘。ある日、幼稚園終わりに隣の公園で遊んでいたAちゃんを見つけた娘は、
 「Aちゃんがいる!」と慌てて私の手を引っ張り、公園まで走っていったのです。

 以前のように楽しくAちゃんと遊べると思い、
 「Aちゃーん! 一緒に遊ぼう!」とAちゃんのもとへ笑顔で猛ダッシュする娘。しかし、Aちゃんは
 「ダメ! 一緒に遊ばないよ! もうハートパカッだよ!」とハートが割れるジェスチャーをし、砂場用のバケツで娘の頭を叩いたのです。

 そのAちゃんの行動に、私の心は折れそうになりました。Aちゃんママは、Aちゃんに「コラッ」と言うだけ。私の娘に「ごめんね、遊びたくない気分みたい」とだけ言いました。

 泣きながら私にしがみつく娘…。娘があまりにも可哀想で、ただ娘を抱きしめることしかできませんでした。

 同時に、しっかりとAちゃんを注意しないAちゃんママに怒りを覚えました。しばらく娘は私の胸の中で泣いた後、自分から「帰る!」と言いました。とりあえずその場は収まりましたが、その日以降、娘はちょっとしたことでかんしゃくを起こし、「ハートパカッだよ!」と叫んだり、私を叩いたりするように。不安定な日々が続きました。

娘の心のケア 反省したママ友との距離感

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 その日以降、
 「悲しい気持ちにさせるお友達とは遊ばなくても良いんだよ」「Aちゃん以外にもお友達はたくさんいるよ」  
 「ハートがパカッと割れても、ママやパパがギューッとして直してあげるよ」と何度も伝え、何度も娘を抱きしめました。

 娘がAちゃんに声をかけることはなくなり、それ以降遊ばなくなった2人。娘は他のお友達とも仲良く遊ぶようになり、徐々に落ち着きを取り戻しました。そして、Aちゃんママと私は、今では挨拶程度の仲に。

 私たち大人以上に、Aちゃんが娘に対して「合わない」感覚があったのかもしれません。私が違和感を感じた時点で適度な距離をとっていれば、娘を無駄に傷つけずにすんだのではないかと反省しました。ママ友とは、お互い心地良い適度な距離感を意識した付き合い方を心がけていきたいです。

(ファンファン福岡公式ライター/yutaka)

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