夏の恒例イベント・親戚のBBQにて、弟のお嫁さんがひとり家の中にこもりきり。その理由に驚きと気づきがありました。思わぬ展開に学んだ「気遣い」のあり方とは?
夏恒例! 親戚でワイワイBBQ

私の家では、毎年夏になると親戚15人程度が集まり、庭でBBQを楽しむのが恒例行事です。大人も子どもも総出で準備し、炭火の香ばしい匂いに包まれながら、笑顔と笑い声が絶えません。今年も例年通り、みんなでワイワイと楽しい時間を過ごしていました。
小さな子どもたちが焼きトウモロコシを手に走り回り、大人たちはビール片手に近況報告。ジュウジュウと音を立てるお肉にテンションが上がり、あちこちで「これ美味しい!」と賑やかな声が響きます。
1人姿を見せない弟の奥さん

ところが、ふと気づくと1人だけ参加していない人がいました。それは弟のお嫁さん。普段はおとなしく控えめな性格ですが、親戚の集まりにも笑顔で参加してくれていた印象があります。それだけに、今回、外に姿を見せない様子には少し驚きがありました。
最初は気にしていなかったのですが、弟のお嫁さんの姿がまったく見えないことに気づき、「ちょっと飲み物でも持って行こうかな」と軽い気持ちで部屋をのぞいてみることにしました。部屋をのぞいても反応は薄く、少し気になりながら庭に戻ると、ほかの親戚たちも「ずっと家の中だね」「どうしたんだろう」と不思議そうな様子でした。弟のお嫁さんが自室にこもっていることに、なんとなく皆が気づき始め、少しずつ関心が集まっていったのです。
その後、弟のお嫁さんが何も食べていないことを思い出し、焼きたてのお肉を持ってもう一度部屋へ行ってみました。にこやかに「ありがとうございます」と受け取ってくれましたが、そのまま外へは出ず、扉を閉めて部屋の中へ戻ってしまったのです。
なんともいえない気まずさと戸惑い。親戚一同が外で集まっている中、1人で部屋にこもる様子に、誰もが理由を知りたがっていました。「気を悪くしたのかな…?」「誰かとトラブルが?」と憶測が飛び交い、心配と疑問が入り混じった雰囲気に。私は妙に落ち着かず、もやもやとした気持ちでその場を離れられませんでした。
衝撃の理由…「太陽アレルギー」

そしてBBQが終わり、みんなが帰り支度をしているとき。ふとした会話の中で、弟のお嫁さんがぽつりと「実は、太陽アレルギーなんです」と口にしました。日光に当たると肌に異常が出たり、体調を崩すため、医師からも外出を控えるよう指導されているとのこと。なるほど、だから家の中にいたのかと納得しました。
弟も知っていたようで、あえて外には誘わず静かに見守っていた様子。気まずそうに笑う彼女に
「無理させてごめんね」と伝えると、ほっとしたようにうなずいてくれました。体調や体質は目に見えない分、周囲にはなかなか伝わりません。一言伝えてもらえていたら、こちらも自然に配慮できたかもしれません。
とはいえ、本人も言い出しづらかったのでしょう。BBQという楽しいイベントの裏で、思いがけない体質による苦悩がありました。「太陽アレルギー」という言葉に驚きつつも、気遣いはする側もされる側もバランスが大切だということを実感しました。次に同じような場面があったら、より自然に気遣える自分でありたいと感じた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/奈緒)


