「リョーユーパン」9つの謎を解く!〜ファンファン調査隊 地元企業大解剖 第12弾〜

 創業から75年超にわたり豊かな食を届けてきたリョーユーパン。毎日のパン作りはもちろん、災害時の食糧支援などでも地域に寄り添う老舗メーカーです。その意外と知らない謎に迫ります。

目次

【ナゾ1】ルーツは“戦後のある使命”にあったって本当?

リョーユーパン創業当時の風景  提供:リョーユーパン

 1948(昭和23)年、福岡県の食糧配給公団が別会社として糧友製パン(現在のリョーユーパンの前身となる会社)を設立しました。当時、思うように回復しない食糧事情を受け、行政によって米国から放出された小麦粉をパンに加工し、市民に配給することが目的でした。

【ナゾ2】60年以上のロングセラー、実はあのパンだった!

1962年発売の「ヤキリンゴ」(左)と、現在の「ヤキリンゴ」(3個入)

 最も長く愛されているのは、1962年発売のブッセ風パン「ヤキリンゴ」。 リンゴ風味のクリームが人気の秘密です。

1966年発売の「銀チョコ」(左)と、現在の「銀チョコ(大きか銀チョコ)」

 チョコレートで包んだ「銀チョコ」(1966年発売)も根強い支持があります。

「ジャンボヤキリンゴ」(左)と「銀チョコ」(3個入)

 そのほか、「ジャンボヤキリンゴ」と「銀チョコ」(3個入)も展開中です。

【ナゾ3】“クッキングパパ”にも登場した「マンハッタン」の誕生秘話とは。

発売当時の「マンハッタン」  提供:リョーユーパン

 1974年、リョーユーパンの開発担当者が米国のドーナツ製法を学び、ニューヨーク・マンハッタンで見つけたドーナツを参考に誕生。1970年代、日本ではミスタードーナツやダンキンドーナツの上陸で“ドーナツブーム”が起きていたことも背景にありました。

 パンのように焼いていた初期は売り上げが伸びず、試行錯誤する中で、揚げてみたところ絶妙な“サクサク感”が生まれました。さらに製造中、偶然「あるもの」が加わったことで思いがけずヒット! その正体は今でも企業秘密です。

「マンハッタン」の現在のパッケージ

 少し硬めの生地にチョコレートをコーティングし、チョコレートの甘さとさっくりとした食感が特徴。やわらかいパンが多い中、“硬いからこそおいしい”という個性派として人気を集めています。食後の満足感が高く、特に若年層の支持が高い商品です。

 漫画「クッキングパパ」第61巻「COOK.603 想いははるかマンハッタン」で取り上げられた際は、全国から反響が寄せられました!

 主人公が会社の部下から「マンハッタン」について教わる場面が描かれ、「九州名物マンハッタン!!」「大ヒット・ロングセラーパン」「安くてうまくてハラもちがいい」などと紹介されました。
 

【ナゾ4】人気の“ハーフプライスベーカリー”、どうして始まったの?

「ハーフプライスベーカリー」は工場直売だからこそのお得な価格でパンを提供

 一度に焼けるパンの量には限りがあるため、注文分の残りを無駄なく生かす工夫から誕生したのが直売店「ハーフプライスベーカリー」です。開店後間もなくは豊富なパンが並びますが、なくなり次第終了なので早めの来店がおすすめです! 

リョーユーパン本社・工場に隣接する「ハーフプライスベーカリー」。カラフルな外観が目印!  提供:リョーユーパン

 リョーユーパン本社・工場に隣接する店舗は、県道31号沿いに位置しています。開店は朝7:30。パン、サンドイッチ、おにぎり、お弁当などが並び、連日多くの人でにぎわっています。

 そのほか、福岡に2店、佐賀に2店、熊本・山口に各1店の計7店舗を展開しています。

【ナゾ5】ユニークすぎるCM、どうして“名画”がテーマなの?

2025年6月「こだわりフェア」編

 実は、北村俊策オーナー絵画を好み、そのこだわりがユニークに表現されたのが“世界の名画シリーズ”です。

 過去にはピエール=オギュースト・ルノワールの「雨傘」や「The Seine at Argenteuil」をモチーフにしたCMが作られました。2025年はクロード・モネの「In the Woods at Giverny」がモチーフに。絵画から飛び出したような2人の女性の掛け合いが印象的で、絵画とともに記憶に残ります。

2023年9月「秋の味覚フェア」編

【ナゾ6】非常食のパンを寄付しているって本当?

リョーユーパンの非常食用パン

 昨今、九州では災害が多発。インフラが寸断され、食事が手に入らない状況に心を痛めた北村オーナーが、私財を投じて始めたのが備蓄用パン寄贈プロジェクトです。地域社会への貢献を自らの使命とし、安心を届ける取り組みを行いました。

 近年では、2024年1月に発生した能登半島地震の被災地にも支援の一環として寄付を実施しました。寄贈されたのは、賞味期限3年のデニッシュ菓子パンで、長期保存が可能な安心の備蓄食です。

【ナゾ7】リョーユーパンの商品、どこで買えるの?

リョーユーパン本社に掲げられた、おなじみの看板

 リョーユーパンの商品は、九州を中心に、中国・四国、関西の一部で購入できます(沖縄を除く)。地域密着型の展開で、地元のスーパーやコンビニなどで手に入ることが多く、長年親しまれています。

 また、海外では現地企業との技術協力も行っています。

【ナゾ8】リョーユーパンの「人気トップ3」って?

(左から)リョーユーパンの人気トップ3「牛乳サンド」「マンハッタン」「あんトースト」

1)「牛乳サンド
 1986年に誕生。ふわふわのパンにミルク風味のクリームをサンド。懐かしさと満足感が魅力のちぎりパンです。

2)「マンハッタン
 チョコレートの甘さと、サクッとした食感が楽しめるドーナツ。独特の食感がクセになります。

3)「あんトースト(バラエティ食パン)」
 ルヴァン発酵種使用の生地に粒あんを巻き込んだパン。甘さ控えめのあんが生地と絶妙に融合。トーストすると軽い食感が楽しめます。

【ナゾ9】幼稚園を運営しているって本当?

開設当時の「糧友幼稚園」  提供:リョーユーパン

 1979(昭和54)年4月、社会に奉仕するための事業として「糧友幼稚園」(現在は「リョーユー幼稚園」)を開設。地域社会への奉仕活動に積極的に取り組んでいて、それが伝統にもなっています。

 敷地面積3,544㎡、延床面積1,676㎡、鉄筋コンクリート2階建ての園舎内は、中央廊下とバルコニーで各部屋が連携され、玄関ホールにはカーペットを敷きつめて一部を読書コーナーにするなど、ゆとりのある保育を実現するためのさまざまな工夫が取り入れられています。

 「行儀がよく小さくまとまる園児よりも、健康で生き生き伸び伸びした園児を育てたい」という思いが体現されています。

リョーユーパンマスコットキャラクター リョーちゃん
リョーユーパンから皆さまへ

 変化し続ける社会構造や環境の中で、消費者のライフスタイルも「快適さ」「ゆとり」「健康」を重視する方向へと進化しています。
 こうしたニーズに応えるため、変化をいち早くとらえ、安全で衛生的な商品づくりを通じて、より豊かで楽しい食生活を提案していきます。
 これからも地域社会の発展に貢献したいと願っています。今後とも一層のご支援とお引き立てを心よりお願いいたします。

リョーユーパン

本社 福岡県大野城市旭ケ丘1-7-1
電話 092-596-3748

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