「夏休み=休み」なんて大間違い!? 朝から晩までノンストップで動き続けるママたち。余裕ゼロの日々の中で、7歳息子のふとしたひと言が、疲れ切った私の心をじんわりと温めてくれました。
夏休み=休み、じゃなかった!?

「夏休み、楽しみだね〜!」と浮かれていたのは、7月の終わりごろ。イベントやお出かけもたくさんして、親子で思い出を作ろう! と意気込んでいました。
でも現実は、朝から晩までの家事と育児のフルコース。朝食を終えたと思ったらすぐに昼ごはんの準備、食べ終われば「おやつは?」「お腹すいたー」の大合唱。洗濯機も1日中フル稼働です。
「ねえ、今日はどこ行くの?」と目を輝かせる息子の目を見れば、断るわけにもいかず、公園やプールに繰り出す毎日。
「私、休んでないよね…?」とふと気づけば、もう夏休みも中盤戦。休憩時間ゼロの日々が続いていました。
「怒りっぽくなってる?」余裕ゼロの自分に自己嫌悪

そんな日々が続けば、当然心の余裕もなくなってきます。
「お腹すいたー!」「ねえ、今日のご飯なに?」そんな何気ない息子の言葉に、ついイラッとしてしまう。
「もう! ちょっと静かにしてくれる!?」いつもならなんとか怒らず乗り切れることも、笑って対応することができませんでした。ふと視線を感じて顔を上げると、息子が不安そうな目でこちらを見ていました。びっくりしたような、ちょっと悲しそうな顔。
「あぁ、私、今すごく嫌な顔してたんだな…」と胸がチクリと痛みました。
息子の“ひと言”が胸に刺さって…

翌日のお昼ごはん。いつものように、冷蔵庫の中身とにらめっこして、なんとか作った焼きそば。食卓に並べて、ふたり並んでテレビを見ながら食べていた時のことです。息子が、ぽつりとつぶやきました。
「ママって、ずっとご飯作ってくれてるね」その言葉に、私の箸を持つ手が止まりました。
「給食って、すごかったんだね。毎日出てきたもん」え? いま、なんて言った? 言葉にできない何かが、胸の奥でじんわりと広がりました。涙が出そうになって、慌てて目をそらす私。
「この子、私の姿をちゃんと見てたんだな。私が大変だっていうこと、分かってたんだな」何も感じていないと思っていたけれど、息子なりに、私の姿をちゃんと見てくれていたのです。忙しさでイライラしている私に対して、息子がかけてくれた言葉。そして同時に、たった一言で涙が出そうになるくらい、自分には余裕がなくなっていたのだと気づきました。
ママの努力、ちゃんと伝わっていたんだ
たった7歳。まだまだ幼いと思っていた息子だけど、ちゃんと周りを見ていて、感じたことを自分の言葉で伝えてくれました。
「ごはん、いつもありがとう」とは言わないけれど、
「給食ってすごかった」なんて言葉の裏には、毎日私が作るご飯を食べて、いろんなことを感じてくれていたんだと思います。
日々の慌ただしさの中では、そんな些細な息子の思いに気づく余裕はありませんでした。でも、私なりの頑張りは、ちゃんと伝わっていました。それが分かっただけで、肩の力がふっと抜けた気がしました。
来年の夏は、ちょっと手を抜きながら、笑って過ごそう
この夏は、正直いっぱいいっぱいでした。もうちょっと工夫すれば、もうちょっと力を抜ければ、もっと笑顔も増やせたかもしれません。
次の夏は、冷凍食品やレトルトにも頼って、もっと気楽にやっていこう。遊びも、ごはんも、がんばりすぎない。“楽しむこと”を、いちばんの目標にしたいと思います。
あの日の「ママって、ずっとごはん作ってくれてるね」は、私にとって、ずっと忘れられない、大切な“お守りのような言葉”です。
(ファンファン福岡公式ライター/Sasaki)
