3人目にしてようやく実現した、夫の育児休暇。最初は感動の連続だったけど、思わぬ出来事にモヤモヤすることも。でも、その時間を一緒に過ごしたことで、私たち家族はたしかに変わりました。感謝と本音が入り混じった、等身大の体験談をお届けします。
夫の育休に感動!

4歳・2歳・10カ月の3児ママです。3人目を出産したタイミングで、夫が初めて半年間の育児休暇を取ってくれることになりました。実は、以前から「一度でいいから、育休取ってくれたらなあ」とずっと思っていました。
ついに育休を取れると聞いたとき、私は心の底からホッとしました。これまでワンオペが当たり前だった日々。誰かと育児を分担できるだけで、こんなにも気持ちが軽くなるんだと実感しました。「ついに一緒に育児できる!」そう思ったら、自然と涙が出てきました。
頼れるパパに期待がふくらむ

夫はさすが3人目ということもあって、抱っこやおむつ替えは問題なくこなしてくれました。上の子たちの送り迎えもスムーズで、子どもたちも嬉しそう。育休のスタートは、まるで新しいチームが誕生したかのようで、私自身も前向きな気持ちになれていました。
そんなある日、授乳と家事を終えてぐったりしていた私に、夫が声をかけてくれました。
「少し寝てきていいよ。俺が見ておくから」その言葉に、私は心底うれしくなって、「もしかして、起きたらご飯も…!? 夫の育休最高!」なんてちょっと期待してしまいました。
期待からの急降下!?

でも現実は、そんなに甘くありませんでした…。30分ほど仮眠をとってリビングに戻ると、末っ子はギャン泣き。上の子たちはお菓子まみれになって走り回っており、そして夫はというと、ソファで大の字になって爆睡中。
テレビの音だけがむなしく響いていました。「うそでしょ…?」一瞬、思考が停止。「任せてって言ったの、そっちだよね?」と心の中でツッコミながら、私は黙って片づけを始めました。夫を起こすと、寝ぼけた顔で
「ごめん、ちょっと疲れて… 泣き止まなくてさ」と苦笑い。
その顔を見て、正直イライラしました。たった30分で音を上げられても…。私はこれを何カ月、何年と毎日やってきたのに。でも、だからこそこうも思いました。ようやく夫も「育児って大変なんだ」と体感してくれたのかもしれない。言葉で説明するより、一度でも現場を経験する方が、何倍も伝わるだろうと。
その後、夫はギャン泣きしていた末っ子をあやし、私はスナック菓子が散乱している床の掃除をしました。期待していた起きたらご飯が作られているかも…! は夢のまた夢でした。
夫婦で見つけた“ちょうどいい”分担

半年の育休を終え、今は夫も仕事に復帰しています。あの“爆睡事件”も、今では家族で笑い合える思い出になりました。育休をとってくれたとき、「ご飯も掃除も全部してくれるのかな?」なんて欲張った期待もあったけど、今では「私が料理を担当するよ」「じゃあ洗濯と送り迎えは任せて!」という自然な役割分担ができています。
「言わなくてもお互いが気づいてやる」そんな関係が、少しずつ育まれてきた気がします。今では、声を掛け合わなくても、それぞれが必要なことに自然と手を出せるようになってきました。お互いに“ありがとう”を忘れずにいられる関係が、いちばん心地いいです。
そして何より、 この育休の時間は、私たち家族にとってとても素敵な時間でした。パパが毎日家にいて、子どもたちと遊んだり、ごはんを一緒に食べたり、お昼寝を見守ったり。上の子たちにも、「パパがそばにいる毎日」を経験させてあげられたことが、本当に良かったと心から思います。
育休が終わったあとも、夫の家事・育児参加は続いています。金曜日の夜になると
「明日、パパもお休み? やったー!!」と子どもたちが言ってくれるのが、何よりの喜びです。子どもたちにとっての“日常にいるパパ”の存在は、きっとこの先も心の安心材料になるはず。
育休は単なる手伝いの時間ではなく、家族の絆を育てる大切な時間でした。完璧じゃなくてもいい。 “夫婦で育てる”“家族で支え合う”その気持ちを大切に、これからもチーム育児を続けていきたいです。
(ファンファン福岡公式ライター/奈緒)


