初めての育児がスタートしたばかりの頃、私は息子との幸せな時間が過ごせるとわくわくした気持ちでいました。しかし、義母から送られてきた“布団”をきっかけに、私の育児休業期間は、大きく狂い始めました。想像していなかった悲惨なものに変わっていったのです。
出産後、義母からいきなり届いた「布団セット」

わが家は息子が生後3カ月の時、一軒家に引っ越しました。産前は仕事が忙しく、ゆっくり家で過ごすことも無かったので、育休中は息子との時間を大切にしながらゆっくり過ごそうと思い、これから始まる新しいマイホームでの新生活にわくわくした気持ちでいました。
引っ越してから数日経ったある日、遠方にいる義母から、大きな荷物が届きました。中身を確認すると、そこには布団セットが入っていたのです。
わが家はホテル!? 義母の行動にイライラ

その布団セットが届いてから、義母は月2~3回、1回につき2泊ほど泊まりに来るようになりました。最初の頃は「孫と遊びたいのかな?」「夕飯を作ってくれるのかな?」と思って迎え入れていましたが、その期待はすぐに裏切られました。
義母は自分の好きな時間に起床し、日中は舞台観劇などの観光に出かけて行きます。そして夕食の支度は、当然のように私でした。夕食時に興味のない舞台観劇の話を延々と聞かされるだけでなく、
「ん~、しょうゆ足してほしいな」
「トースター買ってよ」
「ビールも飲みたいわ」と文句や小言を言われることもありました。そんな調子で、オムツ交換やお風呂など赤ちゃんの世話には一切関わらず、息子の機嫌が良い時に抱っこするくらいでした。
最初の頃は「こんなものなのかな」と自分に言い聞かせていましたが、義母の宿泊訪問が舞台の公演日やイベントの日に合わせて来ていることに気づいた私は、まるでホテルの代わりのように、わが物顔で滞在している義母に対し、次第に違和感を覚えるようになりました。
「赤ちゃんとの生活や、産後間もない私への配慮が一切ない人だな…」と、これ以上、わが家にいて欲しくない気持ちになったのです。
義母対応にうんざり!夫の対応に失望し、ストレスが限界に

義母の言動にうんざりした私は、ついに夫に「義母にホテルに泊まるよう言ってほしい」とお願いしました。しかし、夫は母親に強く言えないのか、うやむやな対応しかしてくれません。
「夜に少しお邪魔するだけだから!」と強気な義母の発言に、結局そのまま宿泊を許してしまう始末でした。
義母から宿泊の連絡が来るたび、義母・夫・私の間で静かな攻防戦が繰り広げられ、私のストレスはどんどん溜まっていきました。そんな私をなだめようとしたのか、夫は
「1泊につき5,000円、俺からあげるからさ」なんて言い出しました。
それを聞いた私は、目が点に。
「え? 寝不足で赤ちゃん対応しているときに、何であ・な・た・の母親の世話までしなくちゃならないの? 自分でしろー! 息子だろー!」慣れない育児に加え、慣れない義母対応に、私は疲れ切っていました。夫に助けてほしかったのに、お金で解決されそうになり、見放された気分でした。
抱えていたストレスが限界を迎えたのだと思います。ある日、義母が帰った後、夜中に腹痛と嘔吐に見舞われました。病院に行くと、ストレス性胃腸炎でした。それからというもの、義母が泊まりに来るたびに、ストレス性胃腸炎になるようになりました。
この恨みは一生!
そんな生活が1年ほど続き、その期間に私は6回もストレス性胃腸炎になりました。育児休暇が終わり仕事復帰する際に、ようやく夫から「妻が仕事に復帰するから、もう泊まりは難しい」と義母に伝えてくれました。
義母も納得してくれたようで、それ以来、泊まりはなくなりました。しかし、遠慮なく泊まりに来ていた義母と、母親に強く言えなかった夫への不信感は、今も深く残ったままです。きっとこれからも、何かの拍子にふと思い出してしまうのだと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/繊細なずんだもち)


